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NEXIニュース

ニューヨーク事務所のご紹介

NY事務所長
町井

 NEXIはシンガポール、パリ、NYという世界の三ヶ所に海外拠点を持っています。このうち、NYは中南米を含めた米州全体を管轄しています。

 NYで得られる情報に目を向けつつも、ワシントンDCには頻繁に赴き、貿易保険なかんずくインフラ輸出に関する米国政府及び国際機関の動向や、彼らから見た中南米の動向についての情報収集、意見交換を行っています。
 同時に、中南米にも、当社が参画させていただいている案件のトラブル処理などプロジェクトが円滑に進むための調整のための主張を頻繁に行っています。特に行政が発端となるトラブルが多い当地では、日本側も政府系機関たるNEXIが現場で交渉に赴くことが効果的であることから、こうした形で引き続き皆様のお役に立ちたいと考えております。また、こうした出張の機会を活かして、現場の日系企業の声を伺ったり、その国を取り巻くインフラ情勢を見るなりして、上記の北米から見た姿と照らし合わせた情勢分析の一助としています。

 このように、①お客様が直面しているトラブルの解決のためにいち早く現場に赴いて相手国政府等と調整すること、②また、こうした機会をいかしながら多様な国々やステークホルダーの視点からみた現場情報を付け合わせて、リスクやチャンスをいち早く伝えること、③ひいては我が国のインフラ輸出の方向性について一定の提言をすることが当事務所のミッションです。

 したがって、私自身は出張でニューヨークを外していることが多く、一例をあげれば、2月はニューヨークでの出勤は2日だけでした。今も機内でこの文章を書いています。


(ブラジル日本商工会議所村田会頭と。ブラジル連邦大統領府にて。)
(ブラジル日本商工会議所村田会頭と。ブラジル連邦大統領府にて。)

(ペッセアルゼンチン中央銀行総裁と。在亜大使館にアレンジいただきました。)
(ペッセアルゼンチン中央銀行総裁と。
在亜大使館にアレンジいただきました。)

(エクアドル財務大臣と。)
(エクアドル財務大臣と。)

 一方、こうして私が米国外にいる間も、ニューヨークベースの仕事は日々動いています。事務処理の相談や同僚から公開情報の分析が毎日私のもとに届きますし、また私の複雑な出張旅程を管理してくれる職員もいます。時差の大きい東京本店ともメールを中心に緊密に連携しています。日本語はおろか英語もあまり通じない地球の反対側へ、そして多くの場合に一人で連続出張することは、孤独と(安全面も含めた)不安との戦いです。寂しい時は自分がこうして米州を飛び回れているのは彼らのおかげであることを思い出して奮起するようにしています。

 さて、米州で仕事をしていて強く感じるのは、中国の存在の大きさです。インフラ分野においても中南米における中国の存在感は加速度的に高まっており、一方の米国においてはEXIMの再授権法の成立や、USAIDの一部とOPICとが統合したDFCの設立の過程など、中国の存在抜きには語れません。エネルギーやIT分野を中心に経済問題と安全保障のリンクが強まり、米中のデカップリングが進んでいますが、インフラ輸出においてもその波が来ていることを肌で感じています。間違いなく、少なくともいくつかの分野では、今後もより市場原理での競争から遠ざかっていくでしょう。

 こうした時代の変化に対して、日系企業の方々は、現地政府の意向に対してより敏感にならざるを得ない状況になっているのではないかと思います。一方、中南米の政府も、話を聞くたびに彼らの苦悩を感じます。中南米は経済や治安が安定しない地域が多く、日系企業はもちろん、現地政府も不安感や不透明感を持っているのでしょう。

 2019年の着任後、保険会社の海外拠点長として異国の地で格闘する中で、素朴に言えば、保険の社会的意義が見えてきた気がします。具体的には、人々の不安に寄り添うことが保険の存在意義ではないかと思うようになりました。

 とりわけ当社の保険は日本の信用に裏付けられた保険です。私に相談をされることは、不安を少しでも和らげるために日本の信用を求めてくださることではないか、と感じています。

 逆に言えば、地球の反対側にあって現地の中央政府や自治体が当社に関心を持ってくれるとき、これまで我が国の歴史が積み上げてきた日本の信用が世界的に通用している事実を改めて感じることができます。NEXIは国民の皆様のご尽力で培われた我が国の信用力の結晶のようなものではないか、と遠い地の現場で日々感じています。

 相手国政府や現地の日系企業の方々から相談をしていただける時、私を通してご覧になっている日本に対する信用に恥じないよう、相談者の不安に寄り添い、解決策を探してまいりたいと思います。

 したがいまして、ニューヨークお越しの際はぜひ声掛けいただきたいと思いますし、また米州にいらっしゃる方々は、いつでもお気軽にご連絡ください。心より歓迎いたします。


【 ニューヨーク事務所 】

c/o JETRO 565 Fifth Avenue,
4th Floor, New York, NY 10017 USA
Tel. 1-212-819-7769
Fax. 1-212-997-0464
(ニューヨーク事務所)

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