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Webマガジン e-NEXI

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第11回アジア輸出信用機関首脳会合(RCG CEO Meeting)開催報告

2020年2月

株式会社日本貿易保険

 株式会社日本貿易保険(NEXI)は、アジア・太平洋地域の12の輸出信用機関(ECA)が加盟するRegional Cooperation Group (RCG)の第11回年次首脳会合を、1月14日~16日にかけて東京で開催いたしました。

 本会合は2008年の金融危機に対応するため、当時のベルン・ユニオン(BU)の議長であり、独立行政法人日本貿易保険の理事長であった今野秀洋の提唱により、第1回会合が東京にて開催されて以来続いているものです。近年の国際情勢は、非常時ではないものの、年始早々一段と緊迫する中東情勢や貿易摩擦、自然災害の増大など、リスクで溢れています。首脳レベルで年次会合を行うことで協力関係を構築し、非常時における情報共有や、再保険協定の締結によるハイリスク案件に対するキャパシティの確保につなげてまいりました。記念すべき2回目の日本開催であった今回の会合には、オーストラリア、韓国、タイ、台湾、中国、日本、香港の7ヶ国のECA及びBU事務局長が参加し、NEXI代表取締役社長の黒田篤郎が議長を務めました。


第11回アジア輸出信用機関首脳会合
(写真撮影:NEXI)

 本会合を主催するにあたり、NEXIは①RCGによる第三国協力の強化と、②アジアのエネルギー問題に於ける認識の共有と今後の協力、の2点を主要テーマに掲げました。

テーマ①RCGによる第三国協力の強化

 このテーマを議論するにあたり、日本貿易振興機構 アジア経済研究所より平野克己上席主任研究員をお招きし、第三国協力の一例として、アフリカにおけるビジネス展開と課題をご講演いただきました。アフリカにおけるアジア諸国の進出状況と成果、アフリカ進出のリスク等をご紹介いただき、ECAとしてどのように第三国におけるビジネス展開を支援していくかをRCG間で話し合いました。RCGには現在16の再保険協定があり、今後も再保険ネットワークの拡充や協調保険、協力協定等様々な形で支援していくことを確認しました。


RCGによる第三国協力の強化
(写真撮影:NEXI)

テーマ②アジアのエネルギー問題に於ける今後の協力

 本テーマでは、日本エネルギー経済研究所の小山常務理事・首席研究員をお招きし、アジアにおける電力問題についてご講演いただきました。アジアの電力需給の見通しや、より高まる中東依存と天然ガスの重要性等をご紹介いただき、ECAとして今後どのようにエネルギー問題に貢献していくかをRCG間で議論しました。アジアの電力事情は、原発や再生エネルギーで多くの電力需要を賄うことのできるヨーロッパと異なり、需要の増加が供給力を上回ると予想されています。再エネ拡大等の気候変動への取組を進めつつも、その技術革新を待つ必要がある中、現実的かつ安定した電力供給を行うには天然ガス開発等による火力発電が重要です。アジアには発展途上国も多く、我々ECAはこうした国のエネルギー安全保障の実現など、国連が持続可能な開発目標(SDGs)として掲げるGoal 7:「すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」に協力して貢献していくことを確認しました。


アジアのエネルギー問題に於ける今後の協力
(写真撮影:NEXI)

最後に

 議論の結果、今後の協力関係の強化と、火力発電を含むエネルギーセクターにおける協力を記載した共同声明1が採択されました。本会合の成果は、BUのホームページでも発表されました2。今後とも、アジアにおける貿易投資や本邦企業が参画する第三国でのプロジェクトを効果的に支援できるよう、ECA間の連携を進めてまいります。


【 本会合に関するお問い合わせ窓口 】
株式会社日本貿易保険(NEXI)
企画室 企画グループ TEL: 03-3512-7665



1 共同声明文(原文)はこちらをご参照ください。
共同声明文(仮訳)はこちらをご参照ください。

2 BUのホームページはこちらをご参照ください。 

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