Webマガジン　e-NEXI

　8月27日、NEXIは国際金融機関であるイスラム開発銀行（IsDB）、イスラム投資・輸出保険機関（ICIEC）及びアフリカ貿易保険機構（ATI）との間で、それぞれ協力覚書（MOU）を締結しました。署名式は経済産業省において、世耕経済産業大臣ご臨席の下執り行われました。また、その翌日の8月28日に第7回アフリカ開発会議（TICAD7）において、今回のMOU締結に関わるサイドイベントをNEXI主催で開催しましたので、これらの概要をご紹介します。

（MOU署名式の様子）

（左から）NEXI 黒田社長、ATI レンタインCEO代行、世耕経済産業大臣、IsDB ジュイニ副総裁、ICIEC カイシCEO
（出典：経済産業省ホームページ　https://www.meti.go.jp/press/2019/08/20190827003/20190827003.html ）

1. 本MOUの目的について

　今般のMOUの狙いは本邦企業によるアフリカ向け貿易・投資を促進するため、アフリカ地域の案件支援実績が豊富で各国政府・政府機関との強力なネットワークを有するIsDB、ICIEC、ATIそれぞれの機関とNEXIの連携を強化し、円滑な案件組成に向けた協力体制を構築することにあります。

　また、本邦企業がこうした国際金融機関に相談しやすい環境作りが重要と判断し、NEXIがIsDB、ICIEC及びATIの職員を対象とした貿易保険研修を実施するとともに、当該研修を受講した各機関職員を配置したジャパンデスク（本邦企業向け相談窓口）を開設することで3機関と合意しております。

2. NEXI主催TICAD7サイドイベントの開催

　8月28日、TICAD7にて「アフリカビジネス拡大に向けた貿易保険の活用法〜リスク低減のためのNEXI・国際金融機関の新たな取組〜」というテーマでサイドイベントを開催しました。まずNEXIからは黒田社長がMOUを締結した3機関の代表者とともに登壇して、スピーチを行い、各機関との関係を強化していくことを表明しました。続く3機関の代表者からはそれぞれの機関の概要や機能を紹介していただき、MOU締結による機能強化への期待を述べられました。終盤には来場者からの質疑が活発に飛び交い、今般の取組に対する注目度の高さがうかがえました。当日は様々な企業や機関、団体から、200名近くの方々にご参加いただき大盛況のうちに幕を閉じることができました。

（各機関のプレゼン時の様子　左上NEXI、右上IsDB、左下ICIEC、右下ATI）

（TICAD7サイドイベントの様子）

3. おわりに

　アフリカ地域におけるインフラ整備需要は膨大であり、本邦企業の潜在的な参画余地は大きいと思われる一方、アジア地域と比べ相対的に参画のハードルが高い状況にあると言えます。かかる状況下、NEXIは今後とも国際金融機関や他国・地域の政府系金融機関との連携を深めることにより、アフリカ地域への輸出・投融資をはじめ、日系企業の海外における事業展開を積極的に支援してまいります。

各機関概要

＜IsDB＞
イスラム諸国及び世界のイスラム社会における社会的・経済的発展を促進し、人々の生活水準を向上させることを目的として1974年に設立された国際金融機関。1975年に営業開始。上記目的のため、主にインフラ支援に注力したイスラム金融商品を提供。資本金は約7億米ドル。57ヵ国が加盟。本店はサウジアラビアのジェッダ。
https://www.isdb.org/

＜ICIEC＞
イスラム諸国向け投資・貿易の拡大を目的にIsDBのグループ機関として1994年に設立された国際金融機関。投資保険、輸出信用保険等を提供。資本金は約4億米ドル。46カ国が加盟。本社はサウジアラビアのジェッダ。
http://iciec.isdb.org/

＜ATI＞
アフリカ向け民間投資の拡大を目的として世界銀行の支援も得て2001年に設立された国際金融機関。投資保険、輸出信用保険等を提供。資本金は2億米ドル。アフリカ東南部の14カ国が加盟。本店はケニアのナイロビ。
http://www.ati-aca.org/