ウズベキスタン共和国／Samarkand1・2太陽光発電・蓄電池併設案件（融資保険の引受）
-中央アジアにおける初の再生可能エネルギー案件の引受-

　株式会社日本貿易保険（NEXI：代表取締役社長　黒田篤郎）は、住友商事株式会社、中部電力株式会社及び四国電力株式会社がACWA Powerとともに出資参画する、ウズベキスタン共和国（以下、ウズベキスタン）における太陽光発電所・蓄電池システム（Battery Energy Storage System、以下BESS）を建設、保有、操業するプロジェクト（以下、本プロジェクト）への民間金融機関からの融資に対し、保険の引受を決定いたしました。本プロジェクトは、ウズベキスタン国内において最大規模の発電容量となる太陽光発電所（合計1,000MW）とBESS（総蓄電容量 1,336MWh）をサマルカンド州及びブハラ州に建設するものであり、2027年以降の商業運転開始を目指すものです。また、完工後25年間にわたり全量をウズベキスタン国営送電公社に売電する予定です。

　本プロジェクトにおいて、NEXIは、株式会社国際協力銀行（以下、JBIC）、アジア開発銀行（以下、ADB）、欧州復興開発銀行（以下、EBRD）、イスラム開発銀行(以下、IsDB)、株式会社三井住友銀行、スタンダードチャータード銀行東京支店、農林中央金庫、KfW IPEX-Bankによるプロジェクトファイナンス形態での協調融資のうち、民間金融機関の融資（合計約425百万米ドル）に対して保険を適用します。なお、本プロジェクトは2019年にIsDBとの間で締結された協力覚書（MOU）¹に基づく初のIsDBとの協調案件となります。加えて、環境保全・気候変動対策への取り組みとなることから、環境イノベーション保険特約²により信用付保率97.5%を適用する案件となり、NEXIが積極的に支援するLEAD（ENVIRONMENT & ENERGY）イニシアティブ³に合致するものとなります。

　本プロジェクトにおいて、本邦スポンサーとともに出資参画するACWA Powerは、中東地域や中央アジア、アフリカを中心に世界15か国、100以上のアセットを有する中東最大のIPP事業者であり、サウジアラビア王国（以下、サウジアラビア）の公共投資基金（ＰＩＦ）が筆頭株主として出資しています。同国首都リヤドで開催された第9回未来投資イニシアチブ（ＦＩＩ）において、10月28日に本プロジェクトにかかる融資契約の発表が行われました。本プロジェクトを通じた協力は、日本・サウジアラビア間、日本・ウズベキスタン間の関係強化に資するものです。

　ウズベキスタンは人口増加や経済発展に伴い電力需要の高まりが予想される一方で、発電量の約8割が天然ガス由来である他、老朽化及び旧式化した火力発電が課題となっています。そうした中で、ウズベキスタン政府は2030年までに総発電容量に占める再生可能エネルギーの割合を30%までに引き上げる目標を掲げているところ、本プロジェクトはその方針に沿うものであり、ウズベキスタンにおいて重要な役割を果たすことが期待されます。

　また、本プロジェクトは日本政府が掲げる「インフラシステム海外展開戦略2030」の具体的施策のうち「GX、気候変動、環境関連の取組」として、相手国の事情に応じたネットゼロに向けた協力に合致するものであり、官民ファイナンスの活用によるエネルギートランジションプロジェクトの加速化に向けた議論等のため、2023年9月に創設された「中央アジア+日本」対話・経済エネルギー対話の枠組みに貢献するものです。

　NEXIが本プロジェクトをファイナンス面から支援することにより、今後の本邦企業によるウズベキスタンを始めとした中央アジア各国における事業機会の拡大、ひいてはこうした再生可能エネルギー開発を含めた国際競争力の維持・向上につながることが期待されます。

　NEXIは、今後も日本の政策金融機関として、本邦企業の海外事業拡大を積極的に支援してまいります。

（ご参考）

被保険者	株式会社三井住友銀行、スタンダードチャータード銀行東京支店、農林中央金庫
保険価額	合計約425百万米ドル
保険責任期間	21年
てん補範囲・付保率	非常危険100%、信用危険97.5%

　お問い合わせ先　　融資保険部　電力グループ　Tel: 03-3512-7340

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