海外投資保険におけるリスクテイクの拡大について
(投資先国の政策変更リスクに対するてん補の開始)
2010年7月 1日
独立行政法人 日本貿易保険(NEXI)
2010年7月1日より、日本貿易保険(NEXI:鈴木隆史理事長)は、海外投資保険において、従来からてん補している非常リスクに加えて、下記のとおり、投資先国政府の合法的かつ一般的な行為(政策変更)に係るリスクをてん補対象に加えます。
なお、政策変更リスクのてん補に際しては、個別案件ごと、保険契約前に特約で具体的なてん補範囲を定めておくことにより、より確実な「ご安心」をお客様にご提供いたします。こうした特約の具体的な内容については、こちらをご参照ください。
記
1.対象となるセクター
資源・エネルギー、インフラ(原子力、鉄道等)、環境セクター(新エネルギー、CDM等)
2.新たにてん補対象となるリスク
- 投資先国政府の投資先企業に対する合法的かつ一般的な行為(政策変更)によって、当該投資先企業が破産手続開始の決定に至ったことにより受けた損失
- 投資先国政府の政策変更等による投資先企業に対する間接的な影響(投資先企業の「契約相手先」が政府の政策変更等の影響を受け、投資先企業との契約を破棄したこと等)によって、当該投資先企業が破産手続開始の決定に至ったことにより受けた損失
※ 投資先国政府の政策変更については、必ずしも法令等の改正には限りませんが、公式文書等により、当該政策変更が行われたことを客観的に確認できることが必要です。 ※ また、投資先国政府により政策変更が行われた結果として、投資先企業が破産手続開始の決定に至ったことが説明できることが必要です。
3.具体的な政策変更の内容
(1) 投資先国政府の合法的かつ一般的な行為(政策変更)の具体例
① 投資先国政府の税財政措置に関する政策変更
- 税制の変更(優遇税制の変更、増税)
- 公定されているロイヤリティ料率の引上げ
② 投資先国政府による規制に関する政策変更
- 土地収用制度・運用の変更
- 外国政府等による事業会社の製品の価格統制、値下げ
- 外国政府等による事業に必要な水、電気等インフラ供給価格の値上げ
- 法律改正による環境規制の変更・強化
- 法律改正による安全規制の変更・強化
(2)投資先国政府の政策変更等の間接的な影響の具体例
- 政府の政策変更等により、投資先企業の契約相手先が政府からの補助金を受け取れなくなったことに起因する投資先企業との契約の破棄等
4.てん補率
上記のリスクについては、従来の保険契約に加えて当該リスクに係る特約を締結することにより、海外投資保険のてん補対象に追加されます。この場合のてん補率は、これまでと同様に95%とする予定です。
5.オプション料率
通常の海外投資保険の料率に、若干のオプション料率(年率0.2%程度)を上乗せする方向で検討中です(具体的な保険設計については相談窓口にご相談ください。)。
6.実施時期
2010年7月1日より相談の受付を開始いたします。
7.お問い合わせ先
営業第二部 企画調整チーム
TEL:03-3512-7675