海外・国内における再保険ネットワーク

NEXIはこれまで、本邦企業発の対外取引（輸出・投資・融資）を主に支援して参りました。しかしながら、本邦企業の海外進出増加に伴い、海外現地法人の対外取引（国内販売・輸出・仲介貿易）に対する支援ニーズが年々高まってきております。こうしたニーズに対応するため、NEXIでは再保険スキームを用いた債権保全プログラムを展開し、海外現地法人の支援拡大を行っています。

海外現地法人様の債権保全プログラム　～NEXI再保険スキームのご案内～（和文）

フロンティングとは、外国で保険販売のライセンスを有する元受保険会社を通じて、NEXIの保険商品を代理販売いただく再保険スキームです。フロンティングは、通常の保険では救済ができないリスクをカバーし、海外現地法人に安定的に保険キャパシティを供給する役割を担っています。

NEXIが日系損害保険会社の海外ネットワークと緊密に連携する“オールジャパンのサポートプログラム”といえます。

欧米民間保険会社によるリスクテイクが困難な、ハイリスクカントリー向け取引や、保険金支払限度額が不足する案件において、引受キャパシティを補完する再保険スキームです。ユーラーヘルメス、コファス、AIG等が拠点を有する世界約100ヵ国で海外現地法人の輸出・仲介貿易・国内販売取引の支援が可能です。

アジア各国のECAの引受キャパシティを補完する目的で、NEXIはアジア各国のECAと再保険協定を締結しています。この協定により、アジアECAの保険引受余力が引き上げられ、日系の海外現地法人によるアジアECAの活用機会が広がりました。

日本企業が外国企業と共同で第三国におけるプロジェクトに参加する場合に、NEXlが日本からの輸出部分等のリスクを引き受けることを目的として、海外の主要な輸出信用機関（ECA）との間でOne-Stop-Shop再保険協定を締結しています。例えば、日本企業が外国企業とコンソーシアム（企業連合）を組んで第三国へ輸出を行う場合、外国企業が日本企業輸出部分を含めた輸出契約金額全体について自国のECA と保険契約を締結し、その上で日本企業輸出部分については、その外国ECAからNEXlが再保険の引受を行います。

複数国の企業が参加する輸出契約全体についてひとつの窓口で貿易保険の申込みができるため、One-Stop-Shopと呼ばれています。

中堅・中小企業支援は政府の重点政策の一つであり、NEXIとしても中堅・中小企業の国際展開を支援するための様々な施策を行っております。その一環として、2014年に貿易保険法が改正され、再保険事業について、従来は外国法人からの再保険のみを対象としていたところ、国内保険会社が元受会社となる輸出取引信用保険についても、NEXIが再保険を引き受けることが可能となりました。

この改正を受け、2015年よりNEXIは国内保険会社が取り扱う中堅・中小企業支援のための輸出取引信用保険を対象に、一定割合で再保険を引き受けるスキームを構築いたしました。NEXIが安定的な引受キャパシティを提供することにより、ハイリスクカントリー向け取引や、取引先の代金回収不能等の信用リスクに対する引受余力が引き上げられ、中堅・中小企業をはじめとする民間保険をご利用いただくお客様の安定的な輸出取引の維持に貢献いたします。

NEXIは、国内保険会社の営業ネットワークと連携し、中堅・中小企業をはじめとする本邦企業の海外進出に対するサポート体制を強化することで、今後も官民連携で中堅・中小企業等の国際展開を積極的に支援してまいります。