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トピックス

2023年3月制度改正


2023年2月6日

株式会社日本貿易保険(NEXI)

以下の制度改正を行うこととしましたのでお知らせします。なお、Ⅰの1~3及びⅡは貿易保険法令改正に伴う改正となります。

Ⅰ 海外投資保険の制度改正

1. 再投資先企業の株式等にかかるリスクの直接てん補

再投資先企業が事由により損害を受けて事業不能等(1月の事業休止等)となった結果、被保険者が受ける損失について、約款に基づき直接てん補することを可能とします。
現状、部分損失特約又は部分損失のみ特約の付帯により再投資先企業の株式等にかかるリスクをてん補することが可能ですが、改正後は、これらの特約を付帯することなく、約款に基づきてん補できるようになります(今後お引受する案件において、「部分損失特約」や「部分損失のみ特約」という特約名称は用いないことになります。)。
また、これまで再投資先企業の株式等の一部収用や再投資先企業の破産等はてん補できなかったところ、これらについてもてん補が可能となります。

(適用される保険契約について)
本制度は本改正実施後に保険契約を締結した案件から対象となります。

2. 送金不能リスクのてん補事由の拡充

再投資先企業の株式等にかかる送金不能について、再投資先企業から投資先企業や中間企業の所在国への送金不能をてん補できるようになります。
現状、再投資スキームにおいては本邦への送金不能を要することから、本邦への送金決議が必要ですが、改正後は、本邦への送金不能を要さず、投資先企業や中間企業の所在国への送金不能をてん補できるようになります。なお、投資先企業の株式等にかかる送金不能については、引き続き、本邦への送金不能が必要です。

(適用される保険契約について)
本制度は本改正実施後に保険契約を締結した案件から対象となります。

3. 「事業不能等」要件の緩和

「1月以上の事業の休止」における「事業の休止」について、その解釈を拡大します。
現状、「事業の休止」については、保険の対象となる事業の全体が休止していることが必要であり、一部でも事業が継続している場合は「事業の休止」にはあたりません。改正後は、主要な事業は停止して、事業全体に重大な支障が生じている場合であって、一部の事業が下記①~③のいずれかに該当する理由により継続せざるを得ない状況を「事業の休止」と見做すことを可能とします。このような状況が1月以上継続した場合に、「1月以上の事業の休止」が発生したと扱うことが可能となります。

① 外国政府等によって当該活動が強制的に継続させられている場合
② 外国政府等との間で締結した契約の義務履行のために当該活動を継続している場合
③ 人道支援として当該活動を継続することが必要である場合

また、上記に加えて、操業開始前の建設期間中等であっても「事業」に相当する活動が行われており、それが事由により停止した場合を「事業の休止」に該当し得ると整理いたします。

(適用される保険契約について)
本制度は本改正実施後に損害が発生した案件(戦争、自然災害、権利侵害等が本改正実施後に発生した案件をいいます。)から対象となります。

4. 「取得のための対価の額」と直前評価額の比較廃止

損失額の算定時における「取得のための対価の額」と直前評価額の比較を廃止します。
現状、損失額の算定においては、「取得のための対価の額」と直前評価額とのいずれか小さい額から直後評価額を控除した残額が損失額の基礎となるところ、改正後は、直前評価額から直後評価額を控除した残額を基礎とします。
なお、「取得のための対価の額」に付保率を乗じた保険金額がお支払い可能な保険金の上限となる点に変更はありません。

(適用される保険契約について)
本制度は本改正実施後に損害が発生した案件(収用・権利侵害、戦争、自然災害等が本改正実施後に発生した案件をいいます。)から対象とすることが可能です。
本制度の適用を希望される場合は、損失発生通知から保険金請求までの間に所定の合意書を提出していただきます。

5. 損失算定時に適用する財務諸表等の明確化等

損失額の算定時等において適用可能な財務諸表等を下表のとおり明確化します。

投資先企業の株式等の評価 再投資先企業の株式等の評価
引受又は洗い替え時 ① 投資先企業の財務諸表等
② 本邦被保険者の財務諸表等
① 事業会社の財務諸表等
② 本邦被保険者、投資先企業、
  中間企業の財務諸表等
損失算定時 上記で適用した財務諸表等 上記で適用した財務諸表等

損失算定時の財務諸表として、引受時又は洗替時に用いた財務諸表等の損失時点を用意していただくことになります。

(適用される保険契約について)
本制度は本改正実施後に損害が発生した案件(収用・権利侵害、戦争、自然災害等が本改正実施後に発生した案件をいいます。)から対象となります。

Ⅱ てん補事由(破産手続開始の決定に準ずる事由)の追加

全保険種(輸出手形保険を除きます。)におけるてん補事由について、「破産手続開始の決定に準ずる事由」をてん補可能とします。現状は、輸出系保険種における船積不能事故に限り、当該事由をてん補可能としているところ、輸出系保険種及び融資系保険種における代金回収不能事故や海外投資保険においてもてん補することができるようになります(変更は下表の赤字部分となります。)。

(〇:てん補可能、×:てん補不可、―:想定されないもの)

海外投資保険における破産手続開始の決定に準ずる事由にかかる保険金請求にあたっては、原則、当該手続きが終結するまでに当該事由が発生した投資先企業にかかる株式等の処分を行っていただくこと等を要します。保険金請求にかかる要件については、投資先企業の所在国における倒産法制なども踏まえて、個別案件毎に検討いたします。

    (対象保険種)
  • 貿易一般保険個別保険
  • 貿易一般保険包括保険(機械設備・船舶・鉄道システム・企業総合・技術提供契約等)
  • 限度額設定型貿易保険
  • 簡易通知型包括保険
  • 中小企業・農林水産業輸出代金保険
  • 前払輸入保険
  • 貿易代金貸付保険(個別保険・包括保険)
  • 海外事業資金貸付保険(劣後ローン特約付帯案件を含みます。)
  • 海外投資保険

(適用される保険契約について)
本制度は本改正実施後に保険契約を締結した案件から対象となります。

(貿易一般保険包括保険及び貿易代金貸付保険包括保険における特約書の変更について)
本改正に伴い、①貿易一般保険包括保険(機械設備・船舶・鉄道システム・企業総合・技術提供契約等)特約書及び②貿易代金貸付保険包括保険(2年以上・2年未満)特約書の内容を変更いたします。
①については、2023年3月20日から同日以降最初に到来する特約書の更新時までの期間に締結する保険契約についても、当該特約書を各新旧対照表のとおり読み替え、本改正を適用いたします。なお、2023年3月20日以降最初に到来する特約書の更新時において、本改正の内容を反映した特約書により更新手続きを行います。
②については、既に締結いただいている特約書を各新旧対照表のとおり読み替えを行い、2023年3月20日以降に締結する保険契約について、本改正を適用いたします。

Ⅲ 別紙様式等の改正

上記Ⅰ及びⅡの改正に伴い、以下別紙様式及び海外投資保険Q&Aの改正を行います。なお、改正後の内容については、上記改正の実施日にこちらのページでご確認ください。

規程名称 改正予定 様式名称
貿易一般保険(個別)手続細則 第12-2「貿易一般保険(船積後)保険金請求書」
貿易一般保険包括保険(鋼材)手続細則 第10-2「貿易一般保険(船積後)保険金請求書」
貿易一般保険包括保険(機械設備・鉄道システム・船舶:特定2年未満案件)手続細則 第9-2「貿易一般保険(船積後)保険金請求書」
貿易一般保険包括保険(機械設備・鉄道システム・船舶:一般案件)手続細則 第12-2「貿易一般保険(船積後)保険金請求書」
貿易一般保険包括保険(企業総合)手続細則 第14-2「貿易一般保険(船積後)保険金請求書」
第16「債権一覧表」
貿易一般保険包括保険(技術提供契約等)手続細則 第12-2「貿易一般保険(船積後)保険金請求書」
貿易代金貸付保険手続細則 第14「貿易代金貸付保険保険金請求書」
限度額設定型貿易保険手続細則 第11-2「限度額設定型貿易保険(船積後)保険金請求書」
中小企業・農林水産業輸出代金保険手続細則 第9「中小企業・農林水産業輸出代金保険保険金請求書」
簡易通知型包括保険手続細則 第14-2「簡易通知型包括保険(船積後)保険金請求書」
第16「債権一覧表」
前払輸入保険手続細則 第7「前払輸入保険損失発生通知書」
海外投資保険手続細則 第1「海外投資(株式等)保険申込書」
第4「海外投資保険変更承認申請書及び変更請求書」
第6「海外投資保険 増額・減額 承認請求書」
第10-1「海外投資(株式等)保険損失発生通知書」
第15-1「海外投資(株式等)保険保険金請求書」
第15-2「海外投資(不動産等)保険保険金請求書」
第16「海外投資保険保険金請求経緯書」
第18「海外投資保険回収義務履行状況報告書」
第25「部分損失特約申請書」
第26「事業拠点等特約申請書」
海外事業資金貸付保険手続細則 第16「海外事業資金貸付保険保険金請求書」

<新旧表>
上記の改正に係る新旧表はこちらをご覧ください。

<改正実施日>
2023年3月20日

<お問い合わせ先>
各保険種別の担当窓口にお問い合わせください。

Ⅰ 海外投資保険の制度改正 本店 営業第一部
投資保険第一・第二グループ

(信用危険について)
本店 営業第二部

TEL 03-3512-7668
   03-3512-7600

TEL 03-3512-7670
Ⅱ てん補事由(破産手続開始の決定に準ずる事由)の追加 本店 営業第一部
輸出保険第一グループ


輸出保険第二グループ

営業推進グループ


投資保険第一・第二グループ


本店 営業第二部
ソリューション営業グループ

大阪支店
営業グループ

TEL 0120-675-094
   03-3512-7664/7667

TEL 03-3512-7585

TEL 0120-671-094
   03-3512-7563

TEL 03-3512-7668
   03-3512-7600

TEL 03-3512-7744


TEL 0120-649-818
   06-6233-4018
Ⅲ 別紙様式等の改正 1.別紙様式(海外投資保険)及び海外投資保険Q&Aの改正 本店 営業第一部
投資保険第一・第二グループ

TEL 03-3512-7668
   03-3512-7600
2.上記以外 本店 債権業務部
査定グループ

TEL 0120-673-094
   03-3512-7663
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