海外事業貸付保険における保険料算出方法の変更について
2005年6月13日
独立行政法人 日本貿易保険(NEXI)
現行、計算方法が極めて複雑である海外事業資金貸付保険の保険料算出方法につきまして、お客様より算出しやすい方式へ変更するよう強いご要望をいただいて おりましたこともあり、お客様の利便性の向上を図るべく、本年10月より変更を実施する予定で見直しの検討を始めましたので、ご連絡いたします。詳細につ きましては、決定次第ご連絡いたします。
記
1.主な変更点
(1) | 保険料計算方法の簡略化 |
現行の計算方法では、平均残高や一括前払い方式等、複雑であるため、お客様にて正確な保険料を算出することが困難な状況であり、改善の強いご要望を頂いています。 今般、バイヤーズ・クレジット等と同様にOECDガイドラインで採用されていますAWL方式※1の導入により、貸付・償還スケジュール・額の要素があれば、比較的簡単に保険料を算出することが可能な計算方法に変更してまいります。 |
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※1:(Average Weighted Life of transaction方式) 償還期限毎の「期間」と「返済額」で加重平均し、保険料の水準の公平性を確保する方法 | |
(2) | 一括前払い方式 |
保険料の支払方法については、年払いを廃止し、原則一括前払いのみといたします。 (なお、バイヤーズ・クレジット等と同様に、保険契約時に概算保険料の100%を納入いただき、償還確定時に確定精算を行っていただきます。) |
2.新しい保険料計算式
(1) | 基本式 |
非常保険料 = 貸付元本※2 ×付保率 ×非常料率(%) 信用保険料 = 貸付元本※2 ×付保率 ×信用料率(%) |
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※2:新方法では、計算に金利を含めないものの、貿易一般保険・貿易代金貸付保険と同様20%までの金利変動についてはてん補いたします。 | |
(2) | 料率計算式 |
非常料率(%)=(aX+b)×各種割増 信用料率(%)=(aX+b)×バイヤーサーチャージ×各種割増 |
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①保険料計算期間X:第1回貸付日から最終償還日のAWL方式で計算した適用期間 (=下記i)とii)の合計) |
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i) 第1回貸付日から起算点のAWL方式で計算した適用期間 ただし、当該AWLが0. 5を下回る場合は, 別途換算を行なう。 ii) 起算点から最終償還日のAWL方式で計算した適用期間 ◇起算点:最終貸付日又は第1回償還日の6月前のいずれか早い時点 |
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②料率a・b: 現行計算方法とファンド・イーブンになるよう係数を設定します。 ③バイヤーサーチャージ(Non-LGの場合): 現行の信用料率区分に応じたバイヤーサーチャージの水準を設定します。 ④分割割増: 親子ローンのみ適用対象とします。2年以上貿易一般保険・貿易代金貸付保険にて適用される割増率と同じ考え方を用い、割増係数を算出します。 ⑤外貨割増: 別途、ご連絡の通り、ドル建て契約については、割増保険料を徴収せずに、従来どおり2倍までてん補します。 円・ドル以外の通貨については、27%の割増率(一括前払いの割増率)を従来どおり乗じた上で、2倍までてん補します。 ⑥変動金利割増: 割増を廃止しますが、てん補範囲は、従来の特約どおり金利20%までとします。 ⑦EPR(特別非常危険)割増: 国カテごとに設定します。従来と同じ考え方にて算出されます。 |
3.実施時期他
(1) | 実施時期 |
2005年10月の内諾より 新方法による引受を開始する予定です。 | |
(2) | 経過措置 |
事前登録制の導入による現行方式の継続適用を検討しています。 尚、9月末までの内諾案件は、10月以降保険契約締結の場合でも、内諾時の制度が適用されます。 |
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(3) | 返還保険料 |
<現 行>90%返還 <新方法>返還すべき保険料の100%の返還とします。 但し、不返還とする最低保険料を設けます。 |
以上