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トピックス

海外事業資金貸付保険における信用付保率決定基準について


2006年4月20日

独立行政法人 日本貿易保険(NEXI)

  1.  海外事業資金貸付保険(以下「海事保険」という。)の信用付保率については、2003年4月1日「中長期non-L/G案件の信用付保率の適用につい て」において、原則95%を上限に定めるものとしましたが、これ以降、海事保険のエクスポージャーは当初の想定をはるかに上回る速度で増大しています。

  2. また、平成18年度独立行政法人日本貿易保険年度計画においては、リスク分析・評価の高度化のための体制整備を行うこととしています。さらに、同年度計画 においては、資源・エネルギーの安定供給確保に向けた取組の強化をはじめとして国の通商政策、産業政策、資源エネルギー政策等における要請を充分に踏まえ 重点的政策分野へのリスク引受の戦略化・重点化を図ることとしています。

  3. こうした状況を踏まえ、NEXIは、案件審査及び信用リスク管理体制の強化並びに重点的政策分野への戦略化・重点化を目的として、2006年5月1日よ り、新たな案件審査手法の導入並びにこれに対応した案件格付及び政策的意義を基準とする信用付保率の決定基準を導入することとしました。

  4. 具体的には、案件格付及び政策的意義を基準とした以下のマトリクスを導入することとします。

    海外事業資金貸付保険における信用付保率決定基準について
    1. 案件格付は5段階評価とし、案件格付1については最大95%、案件格付2~4は最大90%、案件格付5は、最大80%の信用付保率とします。
    2. 政策意義は、従来通り我が国経済に対する貢献の意義が高いと認められる案件のみ引受を行うこととしますが、そのうち政策意義が「特に有り」(後述)と認め られる案件について、上記①において案件格付2~4に認定された案件については最大95%、案件格付5と認定された案件については最大90%の信用付保率 とします
    3. また上記調整を基本としつつも、以下に定める場合には、必要に応じて、信用付保率の上限を引下げるものとします。
      1. 日本貿易保険の特定の借入人に対する信用保険金額が高まっている場合
      2. 信用付保率を高めると、被保険者にモラルハザードが生じる恐れがあると日本貿易保険が判断する場合
    4. なお、上記信用付保率はNEXIが定める上限であり、お客様のご要望に応じてより低い付保率を設定することを妨げるものではありません。
  5. 政策的意義が「特に有り」の案件とは、以下のいずれかに該当するものとします。
    1. 我が国の原料資源の安定供給確保の観点から特に重要と認められる案件。
    2. アジアPPP案件、現地通貨建債券の発行案件(いわゆる「アジアボンド」案件)、又はその他政策的意義の観点から重点分野として推奨される案件。
  6. 上記の新しい信用付保率決定基準の導入時期及び経過措置は以下の通りとします。
    1. 導入時期は2006年5月1日以降に内諾書を発行した案件からとします。
    2. ただし、2006年4月20日以前から既にNEXIに具体的な相談を行っていた案件については、その内容を精査の上必要に応じ、従来通りの運用に基づき付保率を決定します。
    3. 上記2に定める経過措置を適用するのは、2007年3月31日までに内諾書を発行する案件に限ることとし、当該期日までに内諾書が発行されないものについては、今回定める信用付保率決定基準に基づいて付保率を決定します。
  7. なお、海事保険のうちL/G案件及び貿易代金貸付保険の信用付保率については、引き続き従来通りの運用とします。

 

(お問い合わせ先)
日本貿易保険本店 
営業2部第1チーム守田 tel: 03-3512-7673
第2チーム秋田 tel: 03-3512-7675 Fax: 03-3512-7688

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