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バングラデシュ人民共和国/LNG受入基地事業向け投資案件(海外投資保険の引受)-LNG受入基地事業向け引受第1号案件-


2018年11月12日

株式会社日本貿易保険

 株式会社日本貿易保険(NEXI:代表取締役社長 板東一彦)は、三菱商事株式会社(三菱商事)がバングラデシュ人民共和国(以下、バングラデシュ)における浮体式貯蔵気化設備(以下、FSRUi)を利用した液化天然ガス(以下、LNG)受入基地事業(以下、本事業)に対して本邦から行う投資につき、バングラデシュの非常リスク及び契約違反リスクをてん補する海外投資保険の引受を決定いたしました。

 三菱商事は現地の大手財閥Summitグループより、事業会社であるSummit LNG Terminal Co. (Pvt) Limited(以下、SLNG)社の25%の株式を取得しました。本事業はSLNG社がバングラデシュチッタゴン管区コックスバザール県Moheshkhali島6kmの沖合にFSRUを設置し、国営石油エネルギー会社Petrobangla社が調達したLNGを受入、15年間にわたりガス化サービスを提供するもので、同国でのFSRUを利用したLNG受入基地事業として、本邦企業が参画する初の事業となります。基地の建設作業は2017年末から開始されており、2019年3月頃の操業開始を見込んでいます。

 人口の増加が著しいバングラデシュでは、年率6%以上の経済成長が続き電力需要が急伸しており、天然ガスによる発電の割合が電力需要の60%程度を占める一方で、国産天然ガスの産出量が減退していることから、LNGの輸入・活用を国策として推進しています。FSRUを利用したLNG受入基地は、従来の陸上LNG受入基地と比較して、建設コストが安価で建設期間が短いことから、急伸する新興国のLNG受入能力の増強に有効な解決策となるものと期待されています。

 三菱商事は、長年にわたりLNG事業をグローバルに展開しておりますが、近年はエネルギー需要が伸長するアジア地域を中心に環境負荷の少ないLNGiiの安定供給並びに電力・エネルギーインフラ事業の開発に取り組んでおります。バングラデシュにおいては、Summit社と共同でLNGの供給、LNGを利用した発電事業への参画も検討しています。

 NEXIは、LNG関連プロジェクトに対する取組を強化するために資源エネルギー総合保険(融資保険)の対象を拡大する制度改正を行ったところですが、本プロジェクトに対する海外投資保険の引受は、LNG関連プロジェクトに対する取組強化というNEXIの方針に沿った引受といえます。また、本プロジェクトに対する保険引受は、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保を目指す「自由で開かれたインド太平洋戦略」という我が国政府方針に沿った取組でもあります。

 NEXIは、今後も日本の政策金融機関として、本邦企業の海外事業展開を積極的に支援してまいります。


お問い合わせ先  営業第一部 投資保険・引受グループ Tel: 03-3512-7668



i FSRUとはFloating LNG Storage and Regasification Unitの略。海洋上で石油や天然ガスを生産・貯蔵・積出する浮体式施設。

ii 天然ガスは燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出が比較的少なく、発電燃料として石炭からの転換が進んでいる。

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