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トピックス

エジプト・アラブ共和国/Gulf of Suez陸上風力IPP案件(融資保険の引受)
-エジプトIPP向けプロジェクトファイナンス案件に対する融資保険の第1号案件-


2017年12月4日

株式会社日本貿易保険

 株式会社日本貿易保険(NEXI:代表取締役 板東一彦)は、豊田通商株式会社(以下、豊田通商)及び株式会社ユーラスエナジーホールディングス(以下、ユーラスエナジー)が出資するエジプト・アラブ共和国(以下、エジプト)法人Ras Ghareb Wind Energy SAE1(以下、Ras Ghareb)が、エジプトの首都カイロ南東260kmに位置するスエズ湾沿岸で実施する陸上風力IPP案件に対する民間金融機関からの融資について、保険の引受を決定いたしました。アラブの春以降、NEXIとして初となるエジプト向け中長期案件の引受であり、エジプトにおけるIPP向けプロジェクトファイナンス案件に対する融資保険の第1号案件でもあります。

 本プロジェクトは、Ras Gharebがエジプトスエズ湾沿岸の紅海県Ras Ghareb地区において、風車125基、発電規模262.5MWの陸上風力発電所を建設・所有・運営し、完工後20年間にわたり、エジプト送電公社(Egyptian Electricity Transmission Company)に売電するものです。

 豊田通商は、中東・アフリカにて風力発電などの再生可能エネルギーを含む発電事業の開発、展開を進めています。特にアフリカは高い成長が期待される地域として積極的なビジネスへの取組方針を打ち出しており、本プロジェクトへの参画は同方針へ沿うものとなります。また、ユーラスエナジーは、現在、世界12カ国で風力および太陽光発電事業を展開しており、この度13カ国目かつアフリカ大陸初進出となるエジプトにて本プロジェクトへ参画することで、今後の更なる海外事業の発展が期待されます。

 日本政府は、2015年11月に「美しい星への行動2.0(Actions for Cool Earth:ACE2.0)」を発表し、気候変動対策に取り組む開発途上国の支援を掲げており、2017年5月改訂の「インフラシステム輸出戦略」の中で、インフラの設計・建設・運営・管理を含むシステムの受注や現地での「事業投資」の拡大の推進を表明しています。本プロジェクトに対する融資保険の引受はこうした日本政府の施策にも合致するものです。

 エジプトは、近年の人口増加と経済発展を背景に電力需要が増加傾向にあり、電力関連設備の増強が不可欠な状況です。また、同国電源開発計画において、従来メインであった重油・ガス火力発電に代わり、再生可能エネルギーを含めた電源の多様化を重要な政策として掲げているところ、本プロジェクトが同国において重要な役割を果たすことが期待されます。

 本プロジェクトにおいて、NEXIは、Ras Gharebが調達する協調融資(総額320百万米ドル)のうち、株式会社三井住友銀行、ソシエテジェネラル銀行東京支店の計2行の民間金融機関による融資(128百万米ドル)に対して保険を適用します。なお、株式会社国際協力銀行(JBIC)も本プロジェクトへの融資を決定しています。

 NEXIが本プロジェクトをファイナンス面から支援することにより、今後の本邦企業の同国におけるアフリカ地域における事業機会の拡大、ひいてはこうした再生可能エネルギー開発を含めた国際競争力の維持・向上につながることが期待されます。

 NEXIは、今後も日本の政策金融機関として本邦企業の海外事業拡大を積極的に支援してまいります。


(ご参考)
融資先 Ras Ghareb Wind Energy SAE
金融機関(NEXIカバー) 株式会社三井住友銀行、ソシエテジェネラル銀行東京支店
保険価額 128百万米ドル
保険責任期間 18年
てん補範囲・付保率 非常危険100%(特別非常危険特約付き)、信用危険90%

 お問い合わせ先  営業第二部 電力グループ Tel: 03-3512-7202



1 出資比率は豊田通商/ユーラスエナジー:40%、Engie SA(仏):40%、Orascom Construction SAE(埃):20%

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