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アルゼンチン共和国/鉄道インフラ管理公団向け自動列車停止装置更新案件に係る融資保険の引受
~アルゼンチン向け引受の全面再開決定後、初となるアルゼンチン政府向け融資案件~


2017年5月22日

株式会社 日本貿易保険

 株式会社日本貿易保険(NEXI:代表取締役社長 板東一彦)は、アルゼンチン共和国(以下、アルゼンチン)運輸省傘下の鉄道インフラ管理公団(ADIF*1)が丸紅株式会社(以下、丸紅)を通じ日本信号株式会社(以下、日本信号)製の自動列車停止(ATS*2)装置を購入する資金の融資に対して、保険の引受を決定いたしました。

 本件は、アルゼンチン財務省に対するドイツ銀行東京支店(以下、ドイツ銀行)及び株式会社国際協力銀行(JBIC)の協調融資であり、NEXIはこのうちドイツ銀行の融資部分について保険を引き受けます。

 NEXIは2002年1月にアルゼンチン向け中長期案件の引き受けを全面的に停止しました。その後、段階的に引受条件を緩和し、2016年3月には、ホールドアウト債権者問題の解決や国際金融市場への復帰等を考慮し、同国向け中長期案件について公的セクター向けを含め全面的に引受再開の決定をしました。本件は、NEXIにとって、公的セクター向け中長期案件の引受再開決定後、はじめて引き受けるアルゼンチン政府向け中長期案件です。

 アルゼンチンでは、経済改革推進計画の一環として、大規模なインフラ整備計画が策定されています。本計画の下、首都ブエノスアイレス近郊の鉄道路線全線(8路線)に敷設する日本信号製ATS装置を、丸紅がADIFへ納入します。2012年2月22日には、ブエノスアイレスのSarmiento線Once駅にて大規模な列車事故が発生した経緯もあり、アルゼンチン政府として事故対策を図る観点から、ブレーキの操作失念及び速度超過に起因する衝突事故を防ぐことが可能なATS装置の設置が急がれていました。

 2016年11月21日には、安倍総理大臣が日本の首相として57年ぶりにアルゼンチンを公式訪問した際に発表された『日・アルゼンチン共同声明』においても、マクリ大統領より、ソブリン案件を含め、NEXIがアルゼンチン保険引受を全面再開することを歓迎する発言がなされており、NEXIの支援に対し高い期待が寄せられていました。

 今般マクリ大統領がアルゼンチンの大統領として19年ぶりで訪日されましたが、本件に係るNEXIの保険引受に係る合意文書が5月19日、安倍総理大臣とマクリ大統領との首脳会談にあわせて、アルゼンチン財務省、ドイツ銀行及びNEXIの間で締結されました。

写真
(アルゼンチン財務省 カプート財務大臣(左)、経済産業省 寺澤貿易経済協力局長(中央)、NEXI 板東社長(右))

 なお、丸紅がADIFとの間で締結した輸出契約に関しても輸出保険の引受を行う予定です。

 NEXIは、今後も日本の輸出信用機関として、本邦企業の海外における事業展開を積極的に支援してまいります。

(ご参考)
被保険者 ドイツ銀行東京支店
てん補範囲・付保率 非常危険:100%、信用危険:95%
(ソブリン特約付き)

 お問い合わせ先  営業第二部 インフラストラクチャーグループ Tel: 03-3512-7674



1 Administración de Infraestructuras Ferroviarias Sociedad del Estado

2 Automatic Train Stop

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