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アルゼンチン共和国/Vicentin S.A.I.C.向け長期運転資金貸付に対する保険引受について


2017年3月30日

独立行政法人 日本貿易保険(NEXI)

 独立行政法人日本貿易保険(NEXI)は、アルゼンチン共和国(以下、アルゼンチン)の大手圧搾事業者であるVicentin S.A.I.C.向け長期運転資金貸付に対して、保険の引受を決定いたしました。

 本件は、アルゼンチン向けの中長期貸付案件です。同国は2015年12月の新政権発足以降、ホールドアウト債権者問題の解決による国際金融市場復帰を遂げるなど、急速な経済改革がなされています。昨年11月には日本の首相としては57年振りに安倍総理大臣が同国を公式訪問し、マクリ大統領とともに「二国間の文脈及び国際場裡における両国の協力関係を一層強化するための幅広いビジョンを取りまとめた共同声明」を発表するとともに、日・アルゼンチン政府、現地日系企業、アルゼンチン企業等総勢480人余りが参加する「日本・アルゼンチン経済フォーラム」も開催され、両国の経済連携強化が期待されています。

 「日本・アルゼンチン経済フォーラム」では、両国の経済連携強化の象徴として日本・アルゼンチン間のビジネスに関する3件のMOUが締結されました。三井物産株式会社とVicentin S.A.I.C.も日本及び新興市場向けに年間40万トンの油糧種子・飼料穀物のアルゼンチンからの輸出を目指すMOUを締結し、本フォーラムで取り上げられました。本件保険引受は両社の取組深化に貢献するものです。

 Vicentin S.A.I.C.は、1929年創業のアルゼンチンを代表する独立系圧搾事業者で、我が国食料安全保障上の重要物資である大豆等を圧搾し、家畜の飼料となる大豆粕や食用大豆油を輸出しています。同社は大豆粕の世界最大の輸出国であるアルゼンチンにおいて最大規模の搾油能力、外資系穀物メジャーを凌ぐ輸出実績(2016年実績で大豆油で1位、大豆粕で2位)を有し、世界最大規模の大豆粕等輸出事業者と言えます。

 インフラシステム輸出戦略(経協インフラ戦略会議決定 平成27年度改訂版)において、「官民連携により、中南米等を対象に、大豆やトウモロコシ等の調達の取組の強化」が掲げられています。本件はこの戦略を具体的な実行につなげるもので、今回の融資では、融資期間中、一定量の穀物を日本向けに輸出することや、緊急時に日本向け輸出を最大限考慮する努力義務を条件としており、我が国の食料安定調達に資する案件です。

 NEXIは今後とも、我が国の食料安定調達に資する案件を積極的に支援してまいります。


(ご参考)
被保険者 アイエヌジーバンク エヌ・ヴイ 東京支店(幹事行)
株式会社三菱東京UFJ銀行
株式会社三井住友銀行
保険価額 115百万米ドル
保険責任期間 5年
てん補範囲・付保率 非常危険:100%、信用危険:90%

 お問い合わせ先 営業第二部 インフラストラクチャーグループ Tel: 03-3512-7670/7674


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