新年のご挨拶

　新年あけましておめでとうございます。
　旧年中は格別のご厚情を賜り心より御礼申し上げます。新年の始まりに際し、謹んでご挨拶申し上げます。

　2021年は2001年４月にNEXIが設立されてから20周年、2017年の株式会社化から5年目という節目の年でありました。この間、NEXIは日本企業の高度化、複層化する海外展開の支援に一貫して取り組んでまいりました。また、米国同時多発テロ、世界金融危機、東日本大震災、そして2020年初頭から続くコロナ禍等、国内外の危機に際して、貿易保険により日本企業に対する様々なサポートを行ってまいりました。

　コロナ禍が始まって2年近く経ち、いくつかの国の経済は回復しつつある一方、変異株の蔓延等もあり、世界経済の回復はなお予断を許さない状況にあります。こうした中で日本企業の海外ビジネスは、コロナ禍以外にも、気候変動対応、途上国のカントリーリスクの高まり、米中対立、サプライチェーンの混乱等、様々な課題に直面しています。

　これらの課題に対し、NEXIは①コロナ禍対応の継続、②LEADイニシアティブ(日本企業の出資がなくとも、先導的要素があれば、環境関連、ESG関連などで融資保険を積極的に提供するスキーム)の推進、③中堅・中小企業、農林水産業支援の強化を三本柱とし、貿易保険を通じて日本企業の「resiliency(強靭性)」や「Just in case（万一に備えた対応）」を力強く後押しできるよう、今後も積極的に取り組んでまいります。

　昨年、当社では貿易保険法令違反となる外債の運用と保険料の誤徴収が発覚し、監督官庁である経済産業省から厳重注意を受けました。お客様ならびにご関係者様に、多大なご迷惑とご心配をおかけしたことを改めて心よりお詫び申し上げます。貿易保険事業を担う組織として失われた信頼を回復すべく、再発防止策を着実に実施し、適正かつ厳格な業務運営の確立に向け、組織をあげて対応してまいります。

　公的貿易保険機関として期待される役割を十二分に発揮し、日本企業の皆様に貿易・投資・融資に関する安全網を提供し、安心して海外ビジネスを続けて頂けるよう、引き続き全力で業務を遂行してまいりますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

株式会社日本貿易保険
代表取締役社長　黒田篤郎