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新年のご挨拶

代表取締役社長 黒田 篤郎

 新年あけましておめでとうございます。
 旧年中は格別のご厚情を賜り心より感謝を申し上げます。新しい年の始まりに際し、謹んでご挨拶申し上げます。

 昨年6月に株式会社日本貿易保険(NEXI)の代表取締役社長に就任して7ヶ月弱となります。私はこれまで20年近く、通商交渉、経済協力、海外インフラ推進、産業調査といった分野で、日本企業のグローバル化支援、貿易投資促進、途上国支援に取り組んでまいりました。NEXIの運営している貿易保険は、そうした政策目的のための最たる政策手段の一つであると考えています。

 着任後、私は内外の関係者に対し、今後重点を置くべきこととして、3つの柱を掲げてきました。貿易保険を利用されるお客様の拡大、貿易保険制度の改革・充実、そして国際連携の推進です。

 一つ目は貿易保険を利用されるお客様の拡大です。NEXIの保険引受実績は近年減少傾向にありますが、一方、米中貿易紛争や中東情勢の緊迫化、自然災害の増大など、最近の世界はリスクで溢れています。こうした中、我々NEXIは、いかにして貿易保険を通じてこうしたリスクをカバーし、我が国企業の対外取引の健全な発展に貢献し続けることができるかが問われているものと考えます。これまで以上に多くのお客様に貿易保険をお使いいただくとともに、待ちの姿勢を脱して案件形成に前広に貢献し、積極的に引受拡大を図ってまいります。公的機関として、より多くの企業の皆様に貿易保険を知っていただき、ご利用いただくことは我々の使命と考えております。そのためにも、私自身も積極的にお客様との交流を持たせていただきたいと思っております。

 二つ目は貿易保険制度の改革・充実です。公的機関として常にビジネス環境の変動と保険ニーズの変化を機敏に捉え、新商品開発や商品改善、手続効率化を進めてまいります。昨年は環境イノベーション保険の創設、インフラファンド等機関投資家からの資金の活用など、相次いで新機軸を打ち出しました。また、日本全体のグローバル展開のあり方が輸出から投資にシフトしている流れの中で、海外投資保険の潜在的ニーズが大きいことに鑑み、制度をより簡素化して利便性を高め、より広くご利用いただけるよう検討しています。このように顧客ニーズに寄り添いつつ制度改善を進めてまいります。

 最後に、国際連携の推進です。経済のグローバル化の進展により国際競争が厳しさを増す一方、複数の国の企業が共同で輸出や事業参画を行う国際協調案件が増えています。かかる状況下、NEXIは近年、多数国間投資保証機関(MIGA)や海外の保険機関との連携や再保険協定など、国際連携を推進してまいりました。昨年は、8月末横浜で開催された第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、NEXIはイスラム開発銀行(IsDB)、イスラム投資・輸出保険機関(ICIEC)及びアフリカ貿易保険機構(ATI)それぞれとMOUを締結しました。また、ベルギーの輸出信用機関(ECA)であるCREDENDOやハンガリーのECAであるMEHIBとMOUを締結したほか、NEXIから米国輸出入銀行(USEXIM)への出再が可能となるようUSEXIMとの再保険協定を改定しました。本年も海外のECA等との連携協力関係を積極的に強化し、日本企業の皆様の海外展開をより柔軟に円滑に支援してまいる所存です。

 今年の干支は十二支の最初となる子(ねずみ)です(ちなみに私は年男であります)。NEXIがねずみのように先陣を切って素早く小回りをきかせて皆様をサポートできるよう、社員一同精進してまいります。

 今年も日本貿易保険(NEXI)をよろしくお願い申し上げます。

株式会社日本貿易保険
代表取締役社長 黒田篤郎

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