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新年のご挨拶

新年のご挨拶_理事長
新年のご挨拶
新年のご挨拶

2015年1月5日
独立行政法人日本貿易保険
理事長 板東 一彦

新年あけましておめでとうございます。
旧年中は、貿易保険事業の運営に対して皆様から多大なるご支援とご協力を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。日本貿易保険(NEXI)の役職員を代表いたしまして、新年のご挨拶をさせていただきます。

 

昨年は、米国の景気が回復傾向、欧州では成長が停滞、新興国でも成長に減速がみられる中、中東の混乱、ウクライナ危機、原油安等、世界経済に少なからず影響を与えました。一方、日本では個人消費を中心に内需が伸び悩んでいるものの、政府によるトップセールスの展開や各種経済政策の後押しもあって、我が国企業による海外の大型プロジェクトの受注の増加、海外生産比率や海外売上高が伸びる等、海外市場の重要性が益々高まっています。

 

このような状況の下、NEXIでは、我が国企業のインフラ輸出や事業運営、米国のシェールガスプロジェクト等の我が国の資源の安定供給に係るプロジェクトへの保険の引受が着実に増加してまいりました。また、プラントだけでなく農業、船舶や航空機についても引受が増加しており、我が国産業の重点的戦略分野を積極的に支援してまいりました。更に昨年末には、TICADⅤの柱の一つであるアフリカにおけるインフラ整備の推進をファイナンス面から支援するため、「アフリカ投融資促進特別保険」を創設しました。これにより、今後、アフリカへの我が国企業の進出が益々増えてくるものと期待しています。

 

NEXIは、我が国企業による海外展開へのニーズに柔軟かつ迅速に対応するため、保険商品の改善に取り組んでまいりました。短期保険をより使い勝手の良いものにするべく、包括付保義務の緩和、信用リスクの引受拡大、重大な内容変更の手続き簡素化、査定回収制度の見直し等を行いました。貸付保険では現地通貨対応通貨の追加、投資保険では事業不能等の認定単位の緩和・てん補事由の選択範囲の拡大等を行いました。このような取組は、本年も引き続き継続していく方針です。

 

また、国内各地から海外展開を行う中堅・中小企業に対してもきめ細かく貿易保険を紹介できる体制の整備を進め、業務提携・業務協力を行う地方銀行をこれまでの41行から55行に拡大し、新たに信用金庫22金庫と協力関係を構築しました。中堅・中小企業向けのNEXIのホームページについてもリニューアルしました。

 

一方、国内外の関係機関との連携では、フランスの民間取引信用保険会社Cofaceとの再保険協力を締結、ベトナム財務省との情報交換に係る覚書の締結等、海外の輸出信用機関や外国政府との間の協力関係を一層強化し、我が国企業の国際的な事業展開を積極的に支援するともに、ファイナンス面からの対応について外国政府との情報交換の緊密化を図ってまいりました。

 

昨年の通常国会では、14年ぶりに貿易保険法が改正されました。この改正により、例えば企業が国際的な事業展開を安定的に行うため、海外でプラント建設等を行う我が国企業が戦争やテロ等による事業の中断によって負担する追加費用を貿易保険の対象とすることとされ、本年より引受を開始いたします。また、海外投資(株式等)保険の商品性を改善し、保険金支払いの要件の一つである「3ヶ月以上の事業休止」を「一ヶ月以上の事業休止」に短縮しました。これらの取組により、我が国企業が国際的な事業展開を安定的に行える環境が整備されました。

 

NEXIは、2013年12月24日の閣議決定に基づき、2017年を目途に全額政府出資の特殊会社への移行、貿易再保険特別会計が廃止されることとされています。NEXIにとって2015年は、引き続き特殊会社化の準備を進めるとともに、不透明なビジネス環境下にある我が国企業の対外取引や海外事業展開を一層強力に支援できるよう、更なる変革が求められる年であると認識しています。皆様の多様なニーズに応えるべく、より機能的かつ効率的な貿易保険の強化・充実を一層図ってまいる所存です。

 

皆様の御健勝・御多幸と事業の益々の飛躍をお祈りいたしますと共に、本年も引き続きご支援を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

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