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環境への取組

Q.日本貿易保険の環境ガイドライン別紙1(6)において、「重要な自然生息地(重要な森林を含む)」「自然生息地(天然林を含む)」という表現がありますが、どういった地域を指すのでしょうか。また、著しい転換、著しい劣化とはどのようなものですか。

A.

「重要な自然生息地(重要な森林を含む)」、「自然生息地(天然林を含む)」、「著しい転換、著しい劣化」については、適合を確認する国際基準を踏まえ、以下のようなものがあり得ると考えられます。

  • 【世界銀行の環境社会スタンダード6(21、23段落)参照】
      (1) 重要な自然生息地
    •  ① IUCNのレッドリストや当該国における同様の基準において深刻な危機にある種又は危機にある種に分類された種にとって特に重要な生息地
    •  ② 固有種又は生息域が限定されている種にとって特に重要な生息地
    •  ③ 移動性のある種や集合を作る種の、世界的あるいは当該国内で重要な集合体を支える地域
    •  ④ 非常に危機に瀕している又は独自性の高い生態系
    •  ⑤ 上の4項目に挙げた生物多様性の価値を維持するために必要な生態学的機能及び特徴
      (2) 自然生息地
    •  ① 大部分が在来の植物種及び/又は動物種の生存している集合体から構成される地域、及び/又は人間の活動が当該区域の主たる生態系機能や種の構成を本質的に変化させていない地域
  • 【IFCのパフォーマンススタンダード6 (13、16段落、脚注7)参照】
      (1) 重要な自然生息地
      生物多様性の価値が高い地域であり、以下の生息地を含む地域になります。
    •  ① 絶滅寸前種(Critically Endangered Species)や絶滅危惧種(Endangered Species)にとって特別に重要な生息地
    •  ② 固有種、生息地限定種にとって特別に重要な生息地
    •  ③ 移動性種や群れを成す種の世界的に重要な集まりを支える生息地
    •  ④ 重大な危機に瀕し、他に類のない生態系
    •  ⑤ 重要な進化の過程に関わる地域
      (2) 自然生息地
    •  ① 主に土着の動植物の生物群によって形成される地域
    •  ② 人間の活動がその地域の主要な生態系機能や種の構成を本質的には変えていない地域
      (3) 著しい転換または劣化
    •  ①土地または水の利用によってもたらされた、長期に渡る大きな変化による、生息地の健全性の消失あるいは著しい減少
    •  ② 在来種の存続可能な個体数を維持するための生息地の能力が大幅に最小化する転換

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