理事長挨拶

独立行政法人 日本貿易保険
理事長 鈴木 隆史(すずき たかし)
独立行政法人日本貿易保険(Nippon Export and Investment Insurance: NEXI)は、2001年4月の設立以来、通常の保険で救済できない対外取引リスクを填補する貿易保険を提供することにより、日本企業の皆様が、安心して海外とのビジネスを行えるよう努力して参りました。常に皆様から温かいご理解とご支援を賜り、心より御礼申し上げます。
初めに、2011年3月11日に発生した東日本大震災の被害にあわれた皆様に深くお見舞いを申し上げるとともに、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し心よりお悔やみを申し上げます。NEXIは、一刻も早い我が国経済への復興に向けて、東日本大震災で生じた原発事故による風評被害に対する貿易保険のカバー範囲の明確化や、被災された中小企業のお客様への諸手続猶予等の対策を講じることとしました。
2008年9月のリーマン・ショック以降、2年連続で減少し続けていた日本の輸出金額は、2010年度は、前年度比14.9%増加の67.8兆円となり、3年ぶりに増加しました。しかしながら、ギリシアに代表される欧州でのソブリンリスク問題の顕在化など国際金融市場の不安は続いており、アラブの春にみられるような政治的リスクも高まっています。こうした状況において、貿易保険の提供を通じて日本企業の国際的な事業活動を支援する、公的な輸出信用機関(Export Credit Agency: ECA)としてのNEXIの役割と責任は一層大きくなっているものと認識しています。
NEXIは、常にお客様中心主義を実践し、保険商品やサービスの向上に努めて参りました。2010年度は、日本企業の海外展開の進展に対応するために、日系損保会社を通じた海外日系企業の第三国向け輸出に対する貿易保険の提供や、海外取引に取り組む日本企業の資金繰りを支援するために、貿易保険が付保された輸出代金債権の流動化対策を実施しました。また、貿易保険の申込みに関する事務負担等を軽減した新たな保険商品である「簡易通知型包括保険」を創設しました。そして、政策実施機関として、2010年6月に政府が取りまとめた「新成長戦略」を受けて、海外投資保険における政策変更リスクのカバーや、海外販売拠点を通じた取引リスクの填補などの措置を講じたほか、同年12月には「パッケージ型インフラ海外展開」の支援策として、現地通貨為替リスクへの対応の強化などを実施しています。
2011年4月1日に、NEXIは設立10周年を迎えました。ますます複雑化する現代のビジネス環境に見合った高水準の貿易保険を皆様に提供できるよう、これからの新たな10年を構築して参る所存でございます。今後とも、皆様の一層のご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
2011年7月
理事長![]()