NEXIニュース

第6回NEXI債権回収セミナーの開催報告について

2012年1月
  
独立行政法人 日本貿易保険
債権業務部

 独立行政法人日本貿易保険(NEXI)は、海外との貿易取引に係る債権回収に関する情報提供の一環として、社団法人日本貿易会との共催により、第6回NEXI債権回収セミナーを開催いたしました。その概要についてご紹介いたします。

 メーカー、商社、大手金融機関に加え、新たに地方銀行、建設会社等を含む約140社290名の応募を頂き、セミナー当日は寒さ厳しき中、会場満席となるほど多数のご参加を賜り、過去最大規模での開催となりました。ご参加いただきました皆様には、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。

 1. 開催日程
  日 時:2012年1月31日(火) 9:45~16:40
  場 所:ベルサール九段 (東京都千代田区九段北)

 2. プログラム

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 3. 講義概要

  1. (1)Clyde & Co.
  2. ・テーマ:躍動する中国経済・債権回収法務実務
    中国における経済動向および紛争の特徴を概観するとともに、紛争にかかわる法制度について説明がされました。債権回収実務については大都市の場合および地方都市の場合それぞれの特徴と注意点についても解説が行われました。具体ケース例として、IT機器メーカーの事例紹介も行われました。
    中国企業との紛争解決のためのポイントとして、次の点が紹介されました。
     ○業界・セクター分析にとどまらず取引先個社が信頼できるかを確認。
     ○法務面及び資金面からの事前デューデリジェンスの実施。
     ○交渉は英語よりも通訳を交えて日本語と中国語で行うのがベター。
     ○捺印の真贋性を含め法的に有効な文書であるかを確認。
     ○迅速な解決に向けた能動的な対処。
  3. (2)ABC-Amega Inc.
  4. ・テーマ:停滞長引く米国経済の影響
    米国における政治動向および財政状況の特徴についてのプレゼンテーションに続き、米国のサービサー制度について紹介が行われました。問題が生じた場合はサービサーや弁護士への速やかな相談が効を奏し、債務者との交渉をいたずらに続けることは相手に誤ったシグナルを与える可能性があるとのアドバイスがありました。
    米国での債権回収のポイントとして、次の点が紹介されました。
     ○債務者には「あなた」以外にも債権者がいる。
     ○債権回収は自動車レースと同じであり迅速な行動が推奨される。
     ○時間は敵なり。
     ○事前の適切なデューデリなどの「仕込み」が魔法のような回収を可能にする。
     ○文書および記録の確実な保管。
     ○信頼できるサービサーの選定。
  5. (3)International Advisers
  6. ・テーマ:債務危機下の欧州におけるビジネス戦略、沸騰する中南米経済
    欧州ソブリン危機に関し、EUの制度的な問題点および今後想定されうるシナリオ等について解説が行われました。また、中南米諸国に於ける債権回収の注意点について説明がなされるとともに、建設プロジェクトのケーススタディについての紹介が行われました。
    中南米諸国における回収実務において「してはいけないこと」として次の点が紹介されました。
     ○関係当事者間での交渉なしに法的手段に訴えることは避けるべき。
     ○債務者の面目・メンツをつぶすような対応は避けるべき。
     ○時間は敵なり。
     ○事前の適切なデューデリなどの「仕込み」が魔法のような回収を可能にする。
     ○いたずらに時間をかける対応は避けるべき。
  7. (4)Herbert Smith
  8. ・テーマ:エマージング・マーケットとビジネス法務、ケーススタディ(インドネシア)
    エマージング・マーケット(新興国市場)におけるビジネスリスクとして、法・規制の不備、政治の不安定性、需要の変動性、および当局も含めた人的課題について解説が行われました。またこれらのリスクに加え、タイの洪水の例をとり、社会資本設備の整備が当局へ集中していることの弊害も今後重視するべき新たなリスクとして紹介されました。また、効果的な債権回収には、Cure(治癒)策に先立つ予防策(Prevention)が重要な役割を果たすとのアドバイスがありました。
    また、ケーススタディとしてインドネシアの債権回収に関する法務の解説が行われ、紛争解決地をどこに定める契約とするかが重要なポイントである点も紹介されました。

    ※ 講師を務めたサービサー会社(債権回収を専門に扱う会社)及び法律事務所は、NEXIが提携している債権回収のプロフェッショナルです。
    各サービサーは、欧米に本拠を持ち、世界各地にオフィスを構え、現地法制および商慣習に精通した質の高いサービスを提供しています。

 

 4. 最後に
 終了後のアンケートでは「業務へ活用できる」、「具体的な債権回収の事例が臨場感を持って聞けた」等、大変好評な反響を頂きました。また、次回取り上げて欲しいトピックや講演内容についてのご意見・ご要望も多数頂きましたので、それらを踏まえ、より一層内容の濃いものとして債権回収セミナーを開催してまいりたいと思います。

 

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「セミナーの様子」

(写真提供:NEXI)

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