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特集
NEXIの再保険協定について
独立行政法人日本貿易保険
営業企画グループ
1. はじめに
近年、日本の製造業は生産拠点をアジア諸国に移し、進出先国から製品を第三国に販売するという商流が多くなっています。この流れは長期に渡る円高傾向により、一層顕著となっています。このような状況下では、海外の日系企業にとって対外取引のリスクを回避する手段が必要となります。
他方で、貿易保険法ではNEXIの貿易保険の利用者を「日本に居住する本邦人および本邦法人」に限定しています。即ち本邦企業が設立した現地法人は、NEXIの提供する貿易保険を利用することができません。また進出先国の輸出信用機関(Export Credit Agency、以下ECA)の貿易保険を利用した際に、引受条件等の制限により、希望に沿った保険の付保ができない場合があります。
NEXIでは各国のECAと再保険協定を締結することにより、海外の日系企業の輸出取引への側面支援を行っています。今回はNEXIの提供する再保険の仕組みについてご紹介いたします。
2.再保険とは
保険会社は、引き受けた保険にかかるリスク(保有リスク)が、保険会社自身のリスクキャパシティを超える場合、またはリスク分散化・平準化により自身が保有するリスクを軽減するために、保有リスクを他社(保険会社/再保険会社等)に移譲しています。この仕組みが「再保険」です。
なお、NEXIは貿易保険法に基づき、NEXIが引き受けた貿易保険の90%を日本政府に移譲する(出再保険)ことにより、貿易保険の信用力が補完されています。
3.再保険のスキームの種類
NEXIが各国のECAと締結している再保険スキームは、「ワンストップショップ再保険」と「アジア再保険」の2種類に大別されます。なお、いずれのスキームにおいても、基本的にはNEXIは各国のECAからリスクを引き受ける「受再保険」となっています。
<ワンストップショップ再保険>
日本企業が外国企業と共同で第三国におけるプロジェクトに参加する場合に、NEXlが日本からの輸出部分等のリスクを引き受けるスキームです。例えば、日本企業が外国企業とコンソーシアム(企業連合)を組んで第三国へ輸出を行う場合、メインコントラクターである外国企業が日本企業輸出部分を含めた輸出契約金額全体について自国のECAと保険契約を締結します。その上で日本企業の輸出部分について、その国のECA(元受ECA)からNEXlが再保険を引き受けます。
国費で事業運営している公的ECAは自国品輸出促進の観点から、外国品が多く含まれる契約への貿易保険付保を制限していることが多く、このような場合には契約内の外国品についてのリスクがカバーされません。しかし、再保険協定に基づいてNEXIが再保険を引き受けることにより、日本品部分についてもリスクをカバーできることになります。
この方式では、複数国の企業が参加する輸出契約全体について、メインコントラクターである企業が一つの窓口で貿易保険の申込みができるため、ワンストップショップと呼ばれています。特に国際共同プロジェクトのような何カ国もの企業が参加する大規模なプロジェクト等では、同一の契約に対して引受審査を重複して行う必要がないため、被保険者側の事務負担も軽減されるというメリットがあります。
これまでは、欧米のECAとの再保険協定で採用された仕組みですが、2011年にはアジアで初めて韓国K-SUREとの再保険協定で採用されています。
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<アジア再保険>
アジアの日系企業による第三国向け輸出支援、および日本とアジアの経済関係の一層の緊密化を目的としています。この協定により、元受ECAの保険の引受余力が引き上げられるため、日系企業は進出先国におけるECAが提供する貿易保険を活用して、対外取引リスクを軽減することが可能です。
また個別案件について引受審査を行いながら情報交換を密に行うことを通じて、各ECAがその審査技術を高めることにも役立っています。アジア再保険には「任意再保険(Facultative Reinsurance)」と「比例再保険(Quota Share Reinsurance)」の二種類があり、次項でその違いをご説明いたします。
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<主な違い>
| ワンストップショップ | アジア再保険 | |
| 元受被保険者 | 外国企業 | 現地日系企業 |
| NEXIのてん補範囲 | 輸出契約の日本品部分相当。 | 元受保険契約のうち、 出再割合に相当する範囲。 |
| 案件の特徴 | 大型・中長期の貿易代金貸付 (バイヤーズ・クレジット)案件が多い。 |
比較的短期の輸出案件が多い。 |

