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トピックス

LIBORの公表停止に伴う金利指標変更に係る重大な内容変更等の取り扱いについて


2021年9月1日
2022年2月4日改訂
2023年9月1日改訂

株式会社日本貿易保険

 日本貿易保険が貿易代金貸付保険又は海外事業資金貸付保険の引受を行った融資案件のうち、極めて多くの案件でLondon Interbank Offered Rate(以下、「LIBOR」という。)が金利指標として採用されてきましたが、2023年6月末をもって全通貨のLIBORの公表が停止されたことからLIBORを利用する引受済みの全融資案件において金利指標の変更が必要な状況と承知しております。

 金利指標の変更(※1)は、貿易代金貸付保険手続細則又は海外事業資金貸付保険手続細則で定める重大な内容変更等に該当しますが(※2)、LIBORの公表停止の影響が極めて広範囲に及ぶ一方、LIBORの公表停止に伴う金利指標の変更により、原則として日本貿易保険の引受リスクに実質的な変更が加えられるものではないことから、LIBORから他の金利指標への変更に係る重大な内容変更等につきましては、以下の要件を満たす案件であって、金利指標の変更後15日以内に日本貿易保険にその旨通知すること(以下、「事後通知」と呼ぶ)等の条件に同意頂ける場合に限り、軽微な内容変更等として包括的に取り扱うことと致します。

また、上記に基づいて約定金利の金利指標の変更が事後通知の対象となる案件に限り、同金利指標変更に付随して行われる各種契約変更については、事後通知も不要とすることと致します。

  • (※1)ここでいう金利指標の変更とは、貸付契約等の金利条項に係る文言変更と、当該文言変更後の金利条項に基づき実際の金利計算に使用される金利指標のLIBORから他の金利指標への切り替えの双方を指し、文言変更と指標切替の時点が異なる場合は、それぞれの時点において重大な内容変更等に該当します。
  • (※2)貿易代金貸付保険手続細則別表2「⑦代金貸付の償還方法又は利払方法(金利計算方法の変更を含む。)の変更」又は海外事業資金貸付保険手続細則別表2「⑦貸付金等の償還方法又は利払方法(金利計算方法の変更を含む。)の変更」に定める重大な内容変更等に該当します。

1. 対象となる保険種

  • 貿易代金貸付(貸付金債権等)保険
  • 貿易代金貸付(保証債務)保険
  • 海外事業資金貸付(貸付金債権等)保険
  • 海外事業資金貸付(保証債務)保険

2. 対象となる重大な内容変更等

(1)事後通知が必要となる変更

  • ① 貿易代金貸付保険又は海外事業資金貸付保険の付保対象である貸付契約等に定める約定金利の変更(LIBORから他の金利指標に変更するものに限ります。)
  • ② 貿易代金貸付保険又は海外事業資金貸付保険の付保対象である保証債務に係る主たる債務者が締結する貸付契約等に定める約定金利の変更(LIBORから他の金利指標に変更するものに限ります。)
  • 注)金利計算方式又は金利起算区分の変更が必要となる場合は、事後通知の中で合わせて通知下さい。

(2)事後通知が不要な変更
貿易代金貸付保険又は海外事業資金貸付保険の付保案件について、上記(1)①~②の金利変更に付随して必要となる各種契約の変更であって、利払日の変更等の保険設計の変更を伴わないもの。

3. 保険契約上の取り扱い

以下(1)に定める要件を全て満たす場合であって、以下(2)に定める条件全てに同意頂ける場合に限り(※3)、LIBORから他の金利指標への変更を軽微なものと判断し、重大な内容変更等としての通知を包括的に不要とします。また、これに基づいて約定金利の金利指標の LIBORから他の金利指標への変更が事後通知の対象となる案件に限り、金利変更に付随して必要となる各種契約(特約に定める事業関連契約を含む)の変更については、事後通知も不要とします。

  • (※3)複数の被保険者が同一案件に参画する協調融資案件の場合であって、当該協調融資案件について重大な内容変更等としての通知を不要とするためには、金利指標を変更する前までに当該協調融資案件に係る全被保険者に同意頂いていることが要件になります。また、被保険者と保険契約者が異なる場合は、保険契約者にも同意頂く必要があります。

(1)軽微な内容変更等として取り扱う要件

以下の①及び②のいずれの要件も満たす案件に限り、軽微な内容変更等として取り扱います。

  • ① 現在適用する金利指標がLIBORである案件であって、マージン引き上げを伴わない他の金利指標への変更であること。なお、LIBORと新指標間の差異の調整(スプレッド調整)を行う場合、当該スプレッド調整の適用をマージン引き上げとはみなしません。また、保険事務手続き上、当該スプレッド調整値は金利指標の一部として取り扱い、マージンとはみなしません。
  • ② 以下のいずれかの金利指標への変更であること(※4)。
    • 円建て:TIBOR、TONA、TORF
    • 米ドル建て:SOFR
    • 英ポンド建て:SONIA
    • ユーロ建て:EURIBOR、€STR
    • スイスフラン建て:SARON
    • (※4)上記の金利指標への変更であれば、ターム物/後決め金利、後決めの場合の単利/複利、Lookback期間を問いません。上記以外の金利指標への変更(上記以外の金利指標を新指標の候補として規定する場合を含みます。)は、重大な内容変更等に該当します。

(2)同意頂く必要のある条件

被保険者及び保険契約者が以下の①及び②に事前に同意頂くことが条件になります。同意の確認は、別紙様式A(改訂版)の同意書の提出によってさせて頂きます。なお、同意書を提出頂いた場合であっても、実際の通知を行って頂けない場合は、重大な内容変更等としての通知が必要となりますので、ご留意ください。

  • ① 該当する約款の「その他の通知義務」に係る条項(※5)に準じ、金利指標の変更の日(※6)から 15 日以内に日本貿易保険に別紙様式B(2023.9改訂版)により通知を行うこと(※7)。
    • (※5)貿易代金貸付(貸付金債権等)保険約款第21条第1項、貿易代金貸付(保証債務)保険約款第20条第1項、海外事業資金貸付(貸付金債権等)保険約款第 21 条第 1 項、又は海外事業資金貸付(保証債務)保険約款第20条第1項を指します。
    • (※6)金利指標変更に係る貸付契約等の文言を変更する日を指します。
    • (※7)必要事項を入力した別紙様式 B 及び証憑類を電子メールに添付する形で通知をしてください。複数の被保険者が同一案件に参画する協調融資案件の場合、一の被保険者が通知をすることで、当該案件の全被保険者から通知があったものとみなします。
    • (※8)通知を不要とする例には以下が含まれます。
    • ・延滞金利(遅延損害金)の計算に用いる金利指標の変更(約定金利と異なる金利指標を同貸付契約等や事業関連契約に適用する場合も含む。以下同じ。)
    • ・期限前弁済が実施される場合のブレークコストの計算に用いる金利指標の変更
    • ・スワップ契約における金利指標の変更
    • ・期限前弁済実施時に発生するブレークコストの計算に係る条項に関する変更
    • ・約定金利に関し後決め金利指標に変更する場合の、期限前弁済の回数を制限する規定の追加
    • ・約定金利に関し後決め金利指標に変更する場合、利払日直前に金利が決まることにより必要となる、各種通知期限の変更及び手続きの簡素化のための変更
    • ・DSRAの計算にLIBORを使用していた場合の、DSRA計算方法の変更
  • ② 金利指標の変更に係る変更承認書の発行(保険証券の再発行)がないこと

4. 適用日

本日以降、LIBOR からの金利指標変更に伴う重大な内容変更等を行う案件について、本取り扱いを適用します。
別紙様式B(改訂版)につきましては、記入要領(2023.9 改訂版)をご参考いただきますようお願い申し上げます。
なお、別紙様式Aに変更はありません。

(お問い合わせ先)

営業第二部 管理グループ Tel: 03-3512-7675

(同意書の提出先)

〒101-8359 東京都千代田区西神田 3-8-1 千代田ファーストビル東館 3 階
株式会社日本貿易保険 営業第二部 管理グループ

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