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トピックス

「制度・運用・手続き等改善の取組方針について」の実施状況のご報告(2014年12月時点)


2014年12月26日

独立行政法人 日本貿易保険(NEXI)

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2013年11月29日に公表いたしました「制度・運用・手続き等改善の取組方針について」に基づき、日本貿易保険では各課題について検討・実施を進めています(前回の実施状況のご報告については6/30版をご参照ください。)。

2014年12月末現在の実施状況についてご報告いたします。今後も引き続き本取組方針に従って、制度改善等を実行に移してまいります。

 

I.既に実施済みの項目(直近1年分)

  1. 貿易代金貸付保険、海外事業資金貸付保険の現地通貨対応通貨の追加【2013年12月実施済】
    ①過去20年分の為替レートデータが入手可能な通貨であること、及び②邦銀が対応可能な通貨であることを追加可能な通貨の要件とする。
  2. 国カテゴリーの変更に伴う激変緩和【2014年1月実施済】
    他国の輸出者等と競争状況にある国際競争入札案件に関し、国カテ変更公表日から1ヶ月以内にNEXIに旧カテ適用の申請(NEXIの承認要)をし、かつ原則として公表日から6ヶ月以内に保険申込された場合には、旧国カテ料率を適用する。これにより、急な国カテ変更に伴う国際競争入札への悪影響を回避することが可能となる。
  3. G格認定要件の緩和【2014年1月実施済】
    現行の要件を充足しないバイヤーであっても、中央政府が原則として直接・間接100%出資するバイヤーであって、個別審査の上、実質的に政府と同一視できると判断したものについては、G格と認定できることとする。これにより、バイヤーの実態に合わせたG格認定が可能となる。
  4. L/Cフォーフェイティングによる保険料返還【2014年2月実施済】
    L/Cフォーフェイティング実行による保険料について、これまで貿易保険申込時点でL/Cフォーフェイティング実行について輸出等契約書に記載がある場合に限定しL/Cフォーフェイティング実行までの期間を対象とした保険料徴収(保険期間設定)を行っているところ、輸出等契約書にL/Cフォーフェイティング実行の事前合意がなく、事後的にL/Cフォーフェイティングを実行した場合にも内容変更による保険料精算を可能とする。
  5. 包括付保義務の緩和【2014年2月実施済】
    仕向地が公海等の案件の船前危険については、非常・信用とも不てん補とする。なお、船前危険のてん補を希望する場合には、従来通りてん補することも可能とする。
  6. 海外投資保険の制度改善及び解釈の明確化【2014年4月実施済】
    • (1) 事業不能等の認定単位の緩和
      特約の付加により、事業不能等の認定単位を事業会社単位から、各事業拠点等の単位まで細分化し、これに応じた保険料率を設定する。これにより、ニーズに応じたてん補範囲等の設定が可能となる。
    • (2) てん補事由の選択範囲の拡大
      ①収用・権利侵害、②戦争・不可抗力、③送金規制、のてん補事由を自由に選択できるようにし、そのリスクに応じた保険料率を設定する。
    • (3) 運用の明確化・規定化
      引受、保険金査定等の運用の明確化を図り、約款等の規定を見直し、Q&Aを作成することにより、保険商品の内容・てん補範囲等をわかりやすくする。
  7. 短期保険制度の見直し【2014年4月実施済】
    • (1) 定期審査等による格下げ不適用
      企業総合保険に関して、期中に格下(EC格まで)があった場合でも、当該特約年度中は、継続して船後信用危険をてん補することとする。これにより、安定的な取引の継続を可能とする。
    • (2) 包括付保義務の緩和
      100%前払い案件(ただし、貿易一般保険包括保険(船舶)については100%一括前払い案件に限る)、円借款、無償援助案件を付保義務対象外とする。なお、てん補を希望する場合には、従来通りてん補することも可能とする。
    • (3) 信用リスクの引受拡大【2014年4月実施済】
      • イ 与信枠の拡大
        E格全般について、総与信枠の拡大を行う。原則として、EE/EA格は最大100億円から300億円へ、EF格は最大50億円から100億円へ拡大する。これにより、従来よりも柔軟な支払限度額の設定・個別保証枠の取得が可能となる。
      • ロ EC格審査基準の見直し
        EF格の審査基準を緩和し、現行の審査基準ではEC格となっているバイヤーについて、財務状況が一定程度以上の場合、EF格を付与する。現在、EC格とされているバイヤーのうち新たに5%程度についてEF格の取得が可能となる。
      • ハ 支払限度額1.2倍超設定時の割増料率緩和
        企業総合保険で支払限度額設定に係る割増について、支払限度額割増係数を適用しない倍率を1.2倍から2倍までに引き上げるとともに、2倍超の場合の割増係数を軽減する。これにより、取引の増加を見込んだ柔軟な支払限度額の設定が可能となる。
  8. 消費財包括保険の見直し【2014年6月実施済】
    仕向国等におけるマイマイガ規制に関連して、追加的に発生した運賃等の費用については、増加費用のてん補対象とする。
  9. 定期審査等による格下げ不適用(限度額設定型貿易保険)【2014年7月実施済】
    限度額設定型貿易保険に関して、期中に格下(EC格まで)があった場合でも、当該保険契約年度中は、継続して船後信用危険をてん補することとする。これにより、安定的な取引の継続が可能となる。
  10. L/C条件国の見直し【2014年7月実施済】
    国別引受基準における「L/C条件国」について、原則廃止とする。
  11. 中小企業輸出代金保険の手続きの見直し【2014年8月実施済】
    「事前相談依頼書」を廃止し、保険申込み時の事務負担を軽減し手続きを簡素化する。
  12. 補完的輸出規制に関する規定の明確化【2014年10月実施済】
    補完的輸出規制(いわゆる「キャッチオール規制」)に該当した貨物の取扱いについて、関連法令等の改正に伴う修正を実施。当該規制に該当した際の手続き及び保険のてん補範囲を明確化する。
  13. 短期保険における重大な内容変更の取扱変更【2014年10月実施済】 (ご参考:2014年10月制度改正
    重大な内容変更の手続きに関し簡素化・明確化を実施済。主要なポイントは以下のとおり。
    • ● 個別保険及び包括保険基準外案件について、内容変更手続きを任意化する。
    • ● 保険契約の内容変更は、基準内案件については全て通知により行い、基準外案件については事前承認申請について承認された後の通知により行う。いつの時点の引受基準が適用されるのかについても、規程上明記する。
    • ● 期間延長の場合は、当該保険契約の内容変更等通知期限までであれば常に延長に応じる。
    • ● 保険責任期間経過後の通知による変更は原則認めない。
    • ● 増額に係る重大な内容変更等の基準を5%から10%に緩和。
  14. 査定・回収制度の見直し【2014年10月実施済】 (ご参考:2014年10月制度改正
    次の基本方針に従い、制度改正を実施済。
    • (1) 被保険者回収からNEXI主導の回収への方針転換(保険金請求後)
      • イ 被保険者に対する回収義務について、NEXIが主体的に回収方針を決定する。
      • ロ NEXI主導の回収行為にかかる費用について、回収金の範囲内においては代位相当分、回収金を超える部分については100%NEXIが負担する。
    • (2) 保険金請求に伴う負担の軽減(査定の簡素化)
      • イ 保険金支払要件を再整理し、保険金請求に関して各要件を証するために必要な提出書類を明示する。また、バイヤーへの債務確認の内容と確認方法を明確化する。
      • ロ 損失発生通知や保険金請求書の様式を変更し、てん補事由の記載を不要とする。船後てん補責任額の算定方法について、現行のてん補割合「保険金額/保険価額」から「証券記載の付保率」(97.5%や90%等)に変更する。
    • (3) 被保険者義務の明確化
      • イ これまで必ずしも明確でなかった告知に関わる被保険者義務の内容を明確化することにより、保険制度の透明化を図り、保険金支払(査定)に係る被保険者の事務を円滑化する。
      • ロ 損失防止軽減義務について、「必須の措置」と「必要に応じて課される措置」が混在している現行規定を整理するとともに、「義務違反」として保険金を払えない場合を明確化する。
      • ハ 「当事者間で紛争が起こっている時は、解決されるまで保険金支払いを留保する(仲裁等の決定を待ち、その結論により認められた債権について保険金を支払う)」旨を規定で明確化する。

 

II.今後実施・検討予定の項目

(なお、今後の検討結果や準備作業の遅れ等により、内容・方針・実施時期に変更が生じる場合がありますが、その際は、再度改めてご報告いたします。)

  1. 事業地国において発生した戦争・テロ等により新たに負担した費用による損失のてん補【2015年1月実施予定】
    貿易保険法の改正に伴い、貿易一般保険包括保険(技術提供契約等)及び設備財包括保険において、プラント案件等の事業地国で発生した戦争・テロ等により新たに負担した退避費用等をてん補する制度を新設する。
  2. 保険申込手続き等のWEB化
    お客様サービスの向上、業務効率化等の観点から各種手続きをWEB化し、お客様に利用しやすい保険とする。なお、説明会の日程等詳細については、後日ご案内します。
    • ● シッパー・バイヤー登録等【2015年6月実施予定】
    • ● 貿易一般保険(個別)新規申込等【2015年10月実施予定】
    • ● 中小企業輸出代金保険の新規申込等その他【2015年度中に実施予定】
  3. 海外投資保険の制度・運用解釈の見直し【2015年度上期実施予定】
    海外投資保険の制度運用及びQ&Aの記載事項につき、ご利用者の要望を踏まえ、見直しを検討する。
  4. SPC信用リスクの引受範囲の拡大【2015年度上期実施予定】
    親会社保証の場合に加え、海外事業資金貸付保険を付保するような場合など、SPCの財務状況が把握できる場合には引受を可能とする。
  5. 包括保険制度の簡素化【2015年度下期以降実施予定】
    設備財包括保険については、事務手続き負担の軽減を目指し、制度・手続きの簡素化を検討する。
  6. 企業総合保険支払限度額2倍超設定時の割増料率制度の廃止【2015年度下期以降実施予定】
    2014年4月に実施した「企業総合保険で支払限度額設定に係る割増料率の緩和」(Ⅰ 7(3)ハ)及び、「与信枠の拡大」(Ⅰ 7(3)イ)の制度改善による効果を踏まえ、また被保険者間の枠配分の状況を考慮しつつ、当該割増料率を廃止する。
  7. 海外事業資金貸付保険をご利用いただく条件である政策的意義の判断に関する基準のお客様への開示
    海外事業資金貸付保険の政策的意義の判断に関する基準をお客様へ開示することで、海外事業資金貸付保険をご利用いただく条件をより明確化する。
  8. 控除利息制度の見直し
    控除利息制度の見直しについて、再保険特会廃止の議論を踏まえ、検討を行う。

 

以上

【お問い合わせ先】

I 既に実施済みの項目(直近1年分)

1. 貿易代金貸付保険、海外事業資金貸付保険の現地通貨対応通貨の追加 営業第二部 モニタリング・管理グループ
Tel: 03-3512-7675
2. 国カテゴリーの変更に伴う激変緩和 営業第一部 包括保険グループ
Tel: 03-3512-7664/7667
3. G格認定要件の緩和 営業第一部 包括保険グループ
Tel: 03-3512-7664/7667
4. L/Cフォーフェイティングによる保険料返還 営業第一部 包括保険グループ
Tel: 03-3512-7664/7667
5. 包括付保義務の緩和 営業第一部 包括保険グループ
Tel: 03-3512-7664/7667
6. 海外投資保険の制度改善及び解釈の明確化 営業第一部 投資保険・引受グループ
Tel: 03-3512-7668
7. 短期保険制度の見直し 営業第一部 包括保険グループ
Tel: 03-3512-7664/7667
8. 消費財包括保険の見直し(マイマイガ駆除にかかる追加費用) 営業第一部 包括保険グループ
Tel: 03-3512-7664/7667
9. 定期審査等による格下げ不適用(限度額設定型貿易保険) 営業第一部 包括保険グループ
Tel: 03-3512-7664/7667
10. L/C条件国の見直し 営業第一部 包括保険グループ
Tel: 03-3512-7664/7667
営業第一部 保険業務グループ
Tel: 03-3512-7610
11. 中小企業輸出代金保険の手続きの見直し 営業第一部 保険業務グループ
Tel: 03-3512-7610
12. 補完的輸出規制に関する規定の明確化 本支店の各保険種担当グループが承ります。
こちらのお問い合せ先をご覧ください。
13. 短期保険における重大な内容変更の取扱
14. 査定・回収制度の見直し 債権業務部 回収グループ
Tel: 03-3512-7658
(1) 被保険者回収からNEXI主導の回収への方針転換
(2) 保険金請求に伴う負担の軽減 債権業務部 査定グループ
Tel: 03-3512-7663
(3) 被保険者義務の明確化

II 今後実施・検討予定の項目

1. 事業地国において発生した戦争・テロ等により新たに負担した費用による損失のてん補 総務部 制度・法務グループ
Tel: 03-3512-7655
2. 保険申込手続き等のWEB化 総務部 業務・統計グループ
Tel: 03-3512-7720
3. 海外投資保険の制度・運用解釈の見直し 総務部 制度・法務グループ
Tel: 03-3512-7655
4. SPC信用リスクの引受範囲の検討 総務部 制度・法務グループ
Tel: 03-3512-7655
5. 包括保険制度の簡素化 総務部 制度・法務グループ
Tel: 03-3512-7655
6. 企業総合保険支払限度額2倍超設定時の割増料率制度の廃止 総務部 制度・法務グループ
Tel: 03-3512-7655
7. 海外事業資金貸付保険をご利用いただく条件である政策的意義の判断に関する基準のお客様への開示 営業第二部 モニタリング・管理グループ
Tel: 03-3512-7675
8. 控除利息制度の見直し 債権業務部 回収グループ
Tel: 03-3512-7658
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