貿易一般保険(2年以上案件)及び貿易代金貸付保険(2年以上案件)の保険料体系について
~本年9月から保険料計算方法等が変わります~
2011年4月 1日
独立行政法人 日本貿易保険(NEXI)
1. OECD輸出信用アレンジメントの変更
- 今般、OECD輸出信用アレンジメントにおける最低保険料率に関する規定が大きく変更されることに伴い、本年9月より、NEXIがバイヤーズクレジットまたはサプライヤーズクレジットに適用する保険料率も変更されます。
2. 最低信用料率の国際ルール化
- 従来は、OECD輸出信用アレンジメント上では、カントリーリスクのカテゴリーごとに最低料率が規定されていましたが、今後は、バイヤーの信用力を外部格付等により分類のうえ、それぞれの信用力に応じた最低信用危険料率もルール化されます。
3. 銀行リスク案件
- ここでいう「バイヤー」には、銀行を含みます。したがって、バンクローン案件や銀行保証案件であっても、その銀行の信用力審査結果によっては、信用危険料率が上乗せされることがあります。
4. 見込まれる保険料率変更幅
- これにより保険料率がどの程度の変更になるのかは、バイヤー国のカテゴリー、バイヤーの属性や信用 力、償還期間等により異なりますが、大きな傾向としましては、
① 政府リスクの案件(借入人が中央政府またはその保証があるもの)であれば、▲5~▲10%程度の値下がり
② 優良民間バイヤー(銀行を含む)向けの案件であれば、+10~20%程度の値上がり
③ 非優良民間バイヤー(銀行を含む)向けの案件であれば、+20~40%程度の値上がりとなります。
5. NEXIの国カテゴリーA国の保険料率について
- なお、NEXIの国カテゴリーA国(米、英、独、仏等)またはOECDアレンジメント上の0カテゴリー国(高所得OECD諸国またはユーロ導入国;NEXIのAカテ国に加えて韓国、マルタ、チェコ等も含む)のバイヤー向けについては、新ルール導入以降は現行の固定料率ではなく、原則として、個々の案件ごとに市場指標を参照して保険料率を決定することとなります。
6. 経過措置
- 新ルールは本年9月より実施されますが、本年8月末までにECA(輸出信用機関)によるコミットが出され、かつ来年3月までにファイナル・コミットに至る案件に限り、現行料率の適用が可能です。特に、民間のバイヤーが借入人となる案件では、現行料率の方が有利となる場合が多いものと考えられます。