シンガポール／ JERA Trading International Pte. Ltd.向けリボルビング・クレジット・ファシリティ案件（融資保険の引受）
―「リボルビング・クレジット・ファシリティ特約」適用 第１号案件―

　株式会社日本貿易保険（NEXI：代表取締役社長　黒田　篤郎）は、株式会社JERA（以下、JERA）のシンガポール子会社であるJERA Trading International Pte. Ltd.（以下、JERATI社）における株式会社三井住友銀行の運転資金貸付枠に対して、保険の引受を決定いたしました。

　本件は、JERATI社が出資するJERA Global Markets Pte. Ltd.（以下、JERAGM社）の運転資金として活用されるJERATI社向けのリボルビング・クレジット・ファシリティ（極度枠型融資）に対して、保険を引き受けるものです。

　JERAGM社は、資源トレーディング事業を通して、親会社JERAのLNG等の調達に寄与しています。長期契約を中心としたターム契約を締結してきた日本の買主企業は、2050年カーボンニュートラルに向けた目標との兼ね合い等から、これまでどおりに既存契約の更新や新規契約の締結を行うことは容易ではなくなっております。資源価格のボラティリティ拡大が継続し、LNGの安定的な確保が求められる中、同社のトレーディング事業にかかる資金調達を支援する本件は、我が国および本邦企業による資源エネルギーの安定供給に資するだけでなく、国際的なLNG市場の流動性の向上を促し、LNG市場の健全な発展を促すものです。

　長期約定返済付き融資と異なり、必要な資金を随時借入れできるリボルビング・クレジット・ファシリティは、トレーディング事業における機動的な売買取引に対応することが可能な融資形態です。NEXIは、「リボルビング・クレジット・ファシリティ特約」を新たに創設し、短期の極度枠型融資向け支援スキームを導入しました。本件は初めて本特約を付帯する案件です。同改正内容を反映した運用規程はこちらをご参照ください。

　なお、本件は、昨年9月29日開催の第11回LNG産消会議でNEXIより言及した、「在外本邦企業におけるLNG取引に対する貿易保険を通じた支援の検討」を具体化した第1号案件です。本年7月18日開催のLNG産消会議2023において発表された”LNG Strategy for the World”及び西村経済産業大臣のスピーチにおいても、LNGセキュリティ強化のためにLNG市場の流動性を高める必要があるという認識の下、日本政府におけるLNG支援の取組の一環として言及されています。
https://www.meti.go.jp/press/2023/07/20230719001/20230719001.html

　NEXIは、今後も日本の政策金融機関として、我が国及び本邦企業の資源エネルギーの安定供給確保に資するプロジェクトを積極的に支援してまいります。

（ご参考）

被保険者	株式会社三井住友銀行
てん補範囲・付保率	非常危険　100%、信用危険　90%

お問い合わせ先　　営業第二部　資源グループ　Tel: 03-3512-7670